国際・外国人

在外公館給与法改正案

海外の大使館・総領事館で働く外務公務員の在勤手当を見直し、子連れ赴任や単身赴任への手当を整える改正です。

第221回国会閣法第10号提出者: 内閣提出: 2026/3/2
成立

公布済み

次: 公布・施行

先委先本後委後本成立

一言で言うと

海外で働く外交官への手当を、配偶者中心の考え方から、子どもを含む家族の実情に合わせた形へ見直し、赴任先での生活を支えます。

この法案のポイント

制度変更を表すイラスト

何が変わる?

在外公館で働く外務公務員の在勤手当を、配偶者中心から子連れ・単身赴任にも対応する形へ見直す改正です。

同行配偶者手当は在勤基本手当の20%から13%に変わり、同行子女手当は子ども1人につき8%で新設されます。在外単身赴任手当は月額6万5千円です。

背景やタイミングを表すイラスト

なぜ今?

在外勤務の家族構成や赴任形態が多様化しているためです。

外務省は、共働き職員や女性職員の増加を背景に挙げています。国会審議では、1987年に配偶者帯同比率が75%だった一方、現在は単身赴任や独身の在外職員が約半数を占めるとの説明もありました。

関係する人や地域を表すイラスト

誰に関係する?

在外公館に勤務する外務公務員と、その配偶者・子どもに関係します。

幼稚園相当施設の子女教育手当の加算上限は月額5万1千円から9万3千円に上がり、国内に残す住居には月額上限1万4千円の住居手当も適用されます。

詳しく読む

大使館など海外勤務の手当を、配偶者中心から家族の実態別に組み替える

🌍 在外公館 / 👨‍👩‍👧‍👦 家族手当 / 🧳 単身赴任 / 🏠 留守宅住居費

第221回国会の閣法第10号は、海外の日本大使館や総領事館などで働く外務公務員の手当を見直す法律です。配偶者手当を組み替え、子どもを連れて赴任する場合や、やむを得ず単身赴任する場合の手当を新設します。2026年3月31日に成立・公布され、4月1日に施行されました。 外務省の概要PDF

💡 一言で言うと

海外赴任の手当を、配偶者中心から家族の形に合わせて組み替えます。

これまでは、配偶者を連れて海外勤務する場合の「配偶者手当」が中心でした。改正後は、配偶者分を見直したうえで、同行する子ども1人ごとの手当や、単身赴任者向けの手当を新しく設けます。

本則では、配偶者を帯同する場合の手当は在勤基本手当の20%から13%へ変わります。一方で、同行する子どもには1人につき8%の手当が新設されます。

🔑 何が変わるのか

今回の改正の中心は、在外公館で働く外務公務員の「在勤手当」です。在勤手当とは、海外勤務に伴う生活費や住居費などに対応するための手当です。

主な変更点は次のとおりです。

  • 配偶者手当を「同行配偶者手当」に改め、支給割合を在勤基本手当の20%から13%に変更
  • 18歳未満の子などを対象に「同行子女手当」を新設し、子ども1人につき在勤基本手当の8%を支給
  • 在外単身赴任手当を新設し、月額6万5千円を支給
  • 単身赴任で国内に残す住居について、月額上限1万4千円の住居手当を適用
  • 幼稚園に相当する教育施設の子女教育手当の加算上限を、月額5万1千円から9万3千円に引き上げ
  • 在勤基本手当の基準額表を改定
  • 在ラトビア日本国大使館の地名表記を「リガ」から「リーガ」に変更

🏛️ 背景:なぜ今この改正なのか

外務省は、共働き職員や女性職員の増加により、在外職員の家族構成や赴任の形が多様化していると説明しています。

これまでの制度は、配偶者と子どもを帯同する形を前提にした手当設計でした。国会審議では、1987年当時は配偶者を帯同する職員の比率が75%だった一方、現在は単身赴任や独身の在外職員が約半数を占めるとの説明もありました。

また、海外の物価や為替相場の変動もあります。幼稚園相当施設の教育費については、外務省資料で「半数以上の職員が限度額の超過分を自己負担している」と説明されています。

📊 現行制度と改正後の違い

配偶者・子どもの手当

  • 現行
  • 配偶者手当:在勤基本手当の20%
  • 子どもを連れて赴任すること自体に着目した手当はなし
  • 改正後
  • 同行配偶者手当:在勤基本手当の13%
  • 同行子女手当:子ども1人につき在勤基本手当の8%

対象となる子どもには、在外職員と同居する18歳未満の子などが含まれます。

単身赴任と国内の住まい

  • 現行
  • 在外職員向けの在外単身赴任手当はなし
  • 改正後
  • 在外単身赴任手当:月額6万5千円
  • 国内に残す住居の住居手当:月額上限1万4千円

子女教育手当

  • 現行
  • 幼稚園に相当する教育施設の加算上限:月額5万1千円
  • 改正後
  • 加算上限:月額9万3千円

在勤基本手当の基準額

在勤基本手当は、公館の種類、所在国・所在地、職位などの区分で金額が決まります。今回、基準額表が改定されました。

例として、大使館の「1号」区分では次のように変わります。

  • アメリカ合衆国:79万1200円 → 91万8800円
  • シンガポール:74万1000円 → 88万1400円

👥 影響を受ける人

直接の対象は、在外公館に勤務する外務公務員です。

特に関係するのは、次のような職員です。

  • 配偶者を伴って海外赴任する職員
  • 子どもを伴って海外赴任する職員
  • 家族の事情で単身赴任する職員
  • 幼稚園相当施設に通う子どもがいる職員

在外公館は、海外での旅券、証明、邦人保護などの窓口にもなります。そのため、この改正は職員給与の制度でありつつ、海外で日本の行政サービスを担う体制にも関わるものです。

📅 施行日と経過措置

この法律は、2026年4月1日に施行されました。令和8年度予算関連法案として、年度初めに間に合わせる「日切れ扱い」の法案です。

経過措置もあります。

  • 2027年3月31日まで、一定の職員について同行配偶者手当を13%ではなく17%として扱う場合があります
  • 同じく2027年3月31日まで、同行子女手当は本則の8%ではなく6%となります
  • 一定の場合、旧配偶者手当の例により10%相当を支給する扱いもあります

🗣️ 国会での経過

法案は2026年3月3日に内閣から提出されました。

衆議院では3月13日に外務委員会と本会議で可決されました。参議院では3月31日に外交防衛委員会と本会議で可決され、同日に成立・公布されました。参議院本会議の採決態様は全会一致です。

🔗 参考リンク


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