農業・食料

JRA法改正案

JRAの施設を競馬以外にも使いやすくし、剰余金の配分や国庫納付のルールも見直す改正です。

第221回国会閣法第12号提出者: 内閣提出: 2026/3/2
成立

公布済み

次: 公布・施行

先委先本後委後本成立

一言で言うと

競馬場などJRAの施設を地域でも使いやすくし、余ったお金を将来の整備や地域活用に回しやすくして、競馬以外の使い道も広げる改正です。

この法案のポイント

制度変更を表すイラスト

何が変わる?

JRA施設を競馬以外にも使いやすくし、剰余金の配分ルールも見直す改正です。

競馬開催に支障がない範囲で、農林水産大臣の認可を受ければ施設・設備を一般利用や賃貸に使えるようになります。剰余金は事業計画と貸借対照表に基づいて特別振興資金へ充てます。

背景やタイミングを表すイラスト

なぜ今?

JRAの特別積立金を農業政策の財源に充てる別法とあわせ、会計ルールを柔軟にするためです。

関連する臨時措置法では、2026〜2029年度にJRAが毎年250億円、合計1,000億円を国庫に納めます。特別積立金が減った後も事業運営を続けやすくする説明がされています。

関係する人や地域を表すイラスト

誰に関係する?

JRA、地域住民、自治体、イベント関係者、競馬・畜産関係者に関係します。

競馬場や場外発売所の外部利用は、対象施設、利用手続、料金などの運用で具体化されます。特別振興資金は、繁殖馬導入、引退競走馬対策、地方競馬支援などに関わります。

詳しく読む

競馬場の施設を地域にも使えるようにし、日本中央競馬会(JRA)の経営を柔軟に

🏇 中央競馬 / 🏟️ 施設の一般利用 / 💰 剰余金ルール

日本中央競馬会法の改正は、JRAの施設・設備を一般利用や貸出に使える道をつくり、剰余金の配分ルールも見直すものです。

第221回国会に閣法第12号として提出され、2026年3月31日に公布されました。農林水産省の概要資料はこちら:日本中央競馬会法の一部を改正する法律案の概要

💡 一言で言うと

JRA施設を地域利用しやすくし、剰余金の使い道を柔軟にします。

これまでJRAの業務は、中央競馬の開催や競走馬・騎手に関する業務などが中心でした。改正後は、競馬開催などに支障がない範囲で、農林水産大臣の認可を受け、JRAが持つ施設や設備を一般利用に供したり、貸し出したりできるようになります。

あわせて、JRAの剰余金を「特別振興資金」と「特別積立金」にどう配分するかについて、毎年度の政令で決める方式から、認可を受けた事業計画と承認済みの貸借対照表に基づいて決める方式に変わります。

🔑 何が変わるのか

改正の柱は3つです。

1つ目は、JRA施設・設備の外部利用です。大型ビジョンをパブリックビューイングに使う、屋内ホールを商品発表会や講演会に使うといった活用が想定されています。

2つ目は、剰余金の配分ルールです。近年は剰余金の全額が特別振興資金に充てられ、特別積立金への積立てはゼロでした。改正後は、事業計画を踏まえて特別振興資金に充てる額を決め、残りを特別積立金に積み立てる仕組みになります。

3つ目は、JRA役員への就任制限の一部見直しです。JRAと取引上密接な利害関係がある法人の役員などだった人について、任命前1年間はJRA役員になれないという部分が廃止されます。今回廃止されるのは「任命前1年間」の部分です。

🏛️ 背景:なぜ今この改正なのか

背景には、JRAの特別積立金を農業政策の財源に充てる別の臨時措置があります。

関連する臨時措置法では、2026年度から2029年度まで、JRAが毎年度250億円、合計1000億円を国庫に納付する仕組みが設けられました。財源はJRAの特別積立金です。

そのため、特別積立金が減った後もJRAの経営を続けやすくするため、剰余金の配分をより柔軟に決められるようにする必要がある、というのが政府側の説明です。

また、競馬場などの施設を地域住民や外部イベントにも使えるようにすることで、JRAが持つ施設・設備の活用範囲を広げる制度改正もあわせて行われます。

📊 現行制度と改正後の違い

施設・設備の利用

  • 現行

JRAの業務範囲には、施設や設備を一般利用に供したり、貸し出したりする業務が明記されていませんでした。

  • 改正後

競馬開催などの業務に支障がない範囲で、農林水産大臣の認可を受ければ、JRAの施設・設備を一般利用や賃貸に使えるようになります。

剰余金の配分

  • 現行

JRAは、国庫納付や損失てん補準備金への積立てをした後の剰余について、毎年度の政令で定める割合に基づき、特別振興資金に充てることができました。近年は剰余金の全額が特別振興資金に充てられていました。

  • 改正後

剰余金のうち全部または一部を特別振興資金に充てることになります。その金額は、認可を受けた事業計画を踏まえ、農林水産大臣の承認を受けた貸借対照表に記載する額で決めます。残りがあれば特別積立金に積み立てます。

役員登用

  • 現行

JRAと取引上密接な利害関係がある法人の役員などについて、任命前1年間に該当していた人もJRA役員になれませんでした。

  • 改正後

この「任命前1年間」の制限がなくなります。

👥 影響を受ける人・対象者

地域住民や自治体、イベント関係者にとっては、JRA施設の使い方が広がる可能性があります。対象施設や利用手続、料金などの具体的な運用は、今後の認可や省令、JRA側の手続で決まります。

競馬・畜産関係では、特別振興資金の配分がポイントになります。この資金は、繁殖馬の導入支援、引退競走馬対策、競馬場周辺の環境整備、地方競馬支援などに使われます。

生活者との接点は、競馬場やJRA施設の使い方が広がる点です。改正項目は、JRAの経営・会計・人事ルールが中心です。

📅 施行日と経過措置

役員の欠格条項に関する改正は、公布日である2026年3月31日から施行されています。

施設・設備の外部利用や剰余金配分ルールの改正は、公布日から6か月以内に政令で定める日に施行されます。

施行前の行為に対する罰則の適用は、従来のルールによります。

🗣️ 国会での議論の論点

参議院農林水産委員会の質疑項目や附帯決議では、次の点が扱われました。

  • 特別振興資金への配分と特別積立金への積立てを、将来の見通しに沿って計画的に行うこと
  • JRA施設の外部利用で、競馬事業などに支障が出ない要件を検討すること
  • 役員登用規制の見直し後も、取引をめぐる公正な運営を確保すること
  • ギャンブル等依存症対策を計画的に進めること
  • 地方競馬への支援や、引退競走馬対策との関係

🔗 参考リンク


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