政治・行政

防災庁設置法案

内閣に防災庁を新設し、災害の予防から応急対応、復旧・復興までを政府内で束ねる体制をつくる法案です。

第221回国会閣法第13号提出者: 内閣提出: 2026/3/5
審議中

参議院 災害対策及び東日本大震災復興特別委員会で審議中

次: 参議院 委員会

先委先本後委後本成立

一言で言うと

大きな災害対応を政府内でまとめて進めるため、内閣の下に新しい司令塔となる防災庁を置き、平時の備えと発災時の対応をつなぐ法案です。

この法案のポイント

制度変更を表すイラスト

何が変わる?

内閣に防災庁を新設し、災害の予防から復旧・復興までを政府内で束ねる法案です。

防災庁の長は内閣総理大臣で、防災大臣、副大臣、大臣政務官、事務次官を置きます。中央防災会議を防災庁に置き、地方機関として防災局も設ける設計です。

背景やタイミングを表すイラスト

なぜ今?

大規模災害への備えと発災後の対応を、平時から一体で進める狙いです。

政府資料は、発災時に内閣府防災担当が災害対応に追われ、事前防災の企画・推進が中断しやすいことを課題に挙げています。

関係する人や地域を表すイラスト

誰に関係する?

生活者、被災自治体、防災技術に関わる事業者・研究機関に関係します。

被災者の応急救助、生活再建支援金、避難生活環境、激甚災害や特定非常災害の指定、南海トラフ地震などの対策が防災庁の所掌に入ります。

詳しく読む

内閣に防災庁を新設へ 災害対応を平時から復興まで一つの司令塔に

🌧 災害対策 / 🏛 防災庁 / 🧭 省庁調整

第221回国会の閣法第13号「防災庁設置法案」は、内閣に新しい行政機関「防災庁」を置く法案です。災害の備え、発災時の対応、復旧・復興までを政府内で束ねる体制に変えることが狙いです。

公式概要PDF

💡 一言で言うと

国の防災司令塔を、内閣に置く新しい「防災庁」にします。

いまは、政府の防災政策の企画・調整は主に内閣府の防災担当が担い、道路、河川、医療、通信などの個別分野は各府省庁が所管に応じて対応しています。

この法案では、内閣に「防災庁」を置きます。防災庁の長は内閣総理大臣とし、実務を統括する国務大臣として「防災大臣」を置く仕組みです。

🔑 何が変わるのか

核心は、組織の格付けと、省庁をまたぐ調整権限です。

防災庁は、災害予防、災害応急対策、災害復旧、災害からの復興までを対象にします。主な仕事は次の通りです。

  • 防災の基本方針・計画の企画立案、総合調整
  • 大規模災害が起きた場合、または起きるおそれがある場合の対処方針の調整
  • 防災計画、防災組織、災害対策本部などの運営
  • 被災者の応急救助、被災者生活再建支援金の支給
  • 激甚災害、特定非常災害の指定に関する事務
  • 南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝地震、首都直下地震、火山災害などへの対策
  • 防災技術の研究開発、国際協力

防災大臣には、関係行政機関に資料提出や説明を求める権限、必要な場合に勧告する権限が与えられます。勧告を受けた行政機関の長は、その勧告を十分に尊重することになります。

🏛️ 背景(なぜ今この改正なのか)

政府の基本方針では、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震などを挙げ、日本が多くの自然災害に直面してきたことを背景にしています。

南海トラフ地震については、最大で死者約29.8万人、災害関連死は少なくとも約2.6万〜5.2万人、資産等の被害だけで約225兆円とする想定が示されています。

また、現行体制では、発災時に内閣府防災担当が災害対応に追われ、事前防災の企画・推進が中断しやすいという説明が政府資料にあります。そこで、平時から復旧・復興までを一貫して扱う組織として、防災庁を置く設計です。

📊 現行制度と改正後の違い

組織の位置づけ

  • 現行:内閣府政策統括官(防災担当)が、防災政策の企画・立案・総合調整を担います。
  • 改正後:内閣に「防災庁」を置きます。

トップと幹部

  • 改正後:防災庁の長は内閣総理大臣です。
  • 改正後:防災大臣、副大臣1人、大臣政務官1人、事務次官1人を置きます。
  • 改正後:必要がある場合、大臣補佐官1人を置けます。

中央防災会議

  • 現行:中央防災会議は、政府の防災基本計画などを扱う会議です。
  • 改正後:中央防災会議を防災庁に置きます。

地方機関

  • 改正後:防災庁の地方機関として「防災局」を置きます。
  • 防災局の名称、位置、管轄区域、組織は政令で定めます。

👥 影響を受ける人・対象者

生活者に関係するのは、災害時の国の支援体制です。被災者の応急救助、生活再建支援金、避難生活環境などに関する国の事務が、防災庁の所掌に入ります。

自治体にとっては、災害時の国との連携、防災計画、被災自治体支援に関わります。地方機関の防災局がどこに置かれ、どの地域を担当するかは、今後の政令で決まります。

防災技術に関わる事業者、研究機関、NPOなどにも関係します。法案は、防災技術の研究開発や成果の活用、国際協力も防災庁の仕事に含めています。

🧩 一緒に提出された整備法案での変更

防災庁設置法案とあわせて、関係法律を直す整備法案も提出されています。

主な内容は次の通りです。

  • 災害対策基本法の基本理念に、科学的なリスク評価に基づく事前防災を加える
  • 被災者ができる限り良好な生活環境を享受できるようにする考え方を加える
  • 災害の復旧・復興を進めるための本部を置ける規定を追加する
  • 南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝地震の基本計画について、リスク評価、人口動態、技術進展などに応じた見直し義務を設ける
  • 関係する64本の法律について、防災庁設置に合わせた規定整理を行う

📅 施行日と経過措置

防災庁本体の施行日は、令和8年(2026年)12月31日までの間で政令で定める日です。

防災局に関する規定は、公布の日から2年以内で政令で定める日に施行されます。

東日本大震災からの復興に関する一部事務は、復興庁が廃止されるまで、防災庁の所掌に入れない経過措置が置かれています。

🔭 法案では政令に委ねられること

法案本文だけでは、次の点はまだ具体化されていません。

  • 防災庁の実際の施行日
  • 防災局の設置場所、管轄区域、組織
  • 研修・研究を行う文教研修施設の具体像
  • 防災庁内部の職の設置、職務、定数

政府は、主要な組織を新設・改廃した場合、その状況を次の国会に報告します。また、防災庁の組織一覧を少なくとも年1回、官報で公示する仕組みも置かれます。

🔗 参考リンク


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