入管法等改正案
ビザなし短期来日者に出発前のオンライン認証を求め、在留資格や永住許可の手数料上限も見直す改正です。
公布済み
次: 公布・施行
一言で言うと
ビザなしで日本へ短期滞在する外国人について、出発前にオンラインで渡航情報を確認する仕組みを入れ、入国前のチェックを強める改正です。
この法案のポイント

何が変わる?
ビザなし短期来日者に出発前のオンライン認証を求め、在留資格や永住許可の手数料上限も見直す改正です。
電子渡航認証制度(JESTA)を導入し、航空会社や船会社には予約者情報の報告義務を課します。手数料は在留資格の変更・更新で上限10万円、永住許可で上限30万円になります。

なぜ今?
訪日外国人と在留外国人の増加に合わせ、入国前の確認と在留手続の費用負担を見直す狙いです。
2025年の外国人入国者数は初めて4,000万人を超え、2025年末の在留外国人数も412万5,395人で過去最多となっています。政府は不法残留目的の入国防止や上陸審査の円滑化も挙げています。

誰に関係する?
ビザなしで短期来日する人、在留資格を変更・更新する人、永住許可を申請する人に関係します。
予約者情報を報告する航空会社・船会社、外国人従業員や留学生の在留手続を支援する企業・学校にも実務上の影響があります。
詳しく読む
ビザなし訪日は事前オンライン認証へ 空港到着前に入国確認を前倒し
🛂 入国管理 / ✈ ビザなし訪日 / 💻 事前オンライン認証 / 💴 在留手数料
この法案は、ビザなしで短期来日する外国人に、出発前のオンライン認証を求める制度をつくるものです。あわせて、在留資格の変更・更新や永住許可の手数料について、法律上の上限を引き上げます。一次資料:提出法律案PDF
💡 一言で言うと
ビザなしの短期訪日は、出発前のオンライン確認が必要になります。
観光などで短期滞在する場合、これまでビザなしで来日できた外国人にも、渡航前にオンラインで情報を出し、出入国在留管理庁の認証を受ける仕組みを導入します。
制度名は「電子渡航認証制度(JESTA)」です。日本に着いてから空港や港で確認するだけでなく、出発前に一部の確認を済ませる形に変わります。
🔑 何が変わるのか
主な変更点は3つです。
1. ビザなし短期滞在に「JESTA」を導入
査証(ビザ)免除対象者が、観光などの短期滞在で日本に来る場合、事前にオンラインで認証を受けることが上陸条件になります。
認証では、主に次の点を確認します。
- 有効な旅券を持っていること
- 日本で行う活動が虚偽でないこと
- 滞在期間が短期滞在の範囲内であること
- 上陸拒否事由に当たらないこと
台湾の当局が発行する一定の旅券を持つ台湾居住者についても、短期滞在のビザ免除特例との関係で、この制度の対象に入る形になります。
2. 航空会社・船会社に予約者情報の報告義務
日本に向かう航空機や船舶の運送業者は、航空券や乗船券を発行する際、予約者の氏名などを出入国在留管理庁に報告する義務を負います。
出入国在留管理庁から「日本に入らせることが相当でない」と通知を受けた場合、運送業者はその人を乗せて日本に入らせてはいけないことになります。
3. 在留手続の手数料上限を引き上げ
在留資格(日本にいる目的ごとの資格)の変更・更新や、永住許可の手数料について、法律上の上限が引き上げられます。
- 在留資格の変更許可:上限10万円
- 在留期間の更新許可:上限10万円
- 永住許可:上限30万円
- 再入国許可:上限1万円
実際の手数料額は、政令で決まります。法案本文だけでは、最終的な金額までは確認できません。
🏛️ 背景(なぜ今この改正なのか)
背景には、訪日外国人と在留外国人の増加があります。
出入国在留管理庁によると、2025年の外国人入国者数は4,243万930人で、初めて4,000万人を超えました。2025年末の在留外国人数も412万5,395人で、過去最多となっています。
政府は、ビザなし短期滞在者について、出発前に渡航目的などを確認することで、不法残留を目的とした入国を防ぐと説明しています。あわせて、認証済みの人については上陸許可の証印に代わる措置を可能にし、上陸審査の手続を円滑にする狙いもあります。
手数料については、出入国・在留管理にかかる費用や、外国人の在留を支える施策の費用、諸外国の同種手数料を踏まえて見直す仕組みにします。
📊 現行制度と改正後の違い
ビザなし短期訪日
- 現行
ビザ免除対象国・地域の人は、短期滞在であれば、原則として事前にビザを取らずに来日できます。
- 改正後
ビザなしで来日できる人でも、短期滞在の場合は、原則としてJESTAの認証が上陸条件になります。
一時的な上陸や乗り継ぎ
船で寄港地に一時上陸する場合などにも、認証制度が加わります。
法案では、たとえば寄港地上陸は72時間、船舶観光上陸は原則30日、航路によっては7日など、許可ごとの期間内に出国することが確認条件になります。
日本に上陸せず、乗り継ぎで通過する人についても、直行通過者として認証の仕組みが置かれます。
手数料
- 現行
在留資格の変更・更新は、窓口申請で6,000円、オンライン申請で5,500円です。永住許可は窓口申請で1万円です。
- 改正後
法律上の上限が、在留資格の変更・更新は10万円、永住許可は30万円になります。具体額は政令で定めます。
JESTAなどの認証にも、実費などを踏まえた手数料を設ける規定が入ります。金額は法案本文では示されていません。
👥 影響を受ける人・対象者
影響を受ける主な対象は、次の人たちです。
- ビザなしで日本に短期滞在する外国人旅行者
- 台湾の一定の旅券を使い、短期滞在で来日する対象者
- 日本で在留資格を変更・更新する外国人
- 永住許可を申請する外国人
- 航空会社、船会社などの運送業者
- 外国人従業員や留学生の手続を支援する企業・学校
📅 施行日と経過措置
施行日は、内容によって分かれます。
- 手数料上限の引き上げ
2027年3月31日までの政令で定める日
- JESTAの準備行為
2028年10月31日までの政令で定める日
- JESTA本体など
2029年3月31日までの政令で定める日
また、法務省令で定める一定の外国人については、施行日から6か月間、新しい認証要件を適用しない経過措置があります。
🏛️ 審議状況
法案は2026年3月10日に国会へ提出されました。
衆議院では、法務委員会で2026年4月24日に可決され、衆議院本会議で2026年4月28日に可決されました。その後、参議院に送付されています。
🔗 参考リンク
- 参議院 議案情報
- 提出法律案PDF
- 内閣法制局 法案情報
- 法務大臣閣議後記者会見 2026年3月10日
- 法務省 法案概要PDF
- 法務省 法案要綱PDF
- 出入国在留管理庁 令和7年の外国人入国者数等
- 出入国在留管理庁 令和7年末の在留外国人数
- 出入国在留管理庁 在留手続等に関する手数料の改定
- 外務省 査証免除国・地域(短期滞在)
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