地方・インフラ

都市再生特別措置法等改正案

地方都市のまちなかに仕事・観光・交流拠点を呼び込み、歴史的建物や所有者不明土地の活用も進める改正です。

第221回国会閣法第22号提出者: 内閣提出: 2026/3/9
成立

公布済み

次: 公布・施行

先委先本後委後本成立

一言で言うと

まちなかに働く場所や滞在する人、地域の建物を集め直し、にぎわいや暮らしを戻しやすくして、都市の中心部を使い直すための改正です。

この法案のポイント

制度変更を表すイラスト

何が変わる?

地方都市のまちなかに仕事・観光・交流拠点を呼び込み、歴史的建物や所有者不明土地の活用も進める改正です。

オフィスや起業支援施設を誘導する地区、地域らしい建物を活用する区域、道路・公園を官民で管理する協定などを、市町村のまちづくり計画に組み込みやすくします。

背景やタイミングを表すイラスト

なぜ今?

人口減少で中心市街地の仕事やにぎわいが弱くなる中、生活サービスを支える拠点づくりが必要になっているためです。

国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2025年から2030年にかけて93.2%の市区町村で総人口が減少します。住宅だけでなく、働く場所や滞在する場所をまちなかに集める狙いです。

関係する人や地域を表すイラスト

誰に関係する?

自治体のまちづくり、まちなかの事業者、建物所有者、生活者に関係します。

実際の変更は、自治体が計画や条例、都市計画決定、協定を定めた区域で進みます。建物の増築や駐車場整備では、30日前の届け出や駐車場ルールの対象になる場合があります。

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まちなかに仕事と人の滞在を誘導する都市再生へ

🏙️ まちなか再生 / 🏢 オフィス誘導 / 🏛️ 歴史・景観 / 🛡️ 防災

地方都市などで人口減少が進む中、まちなかにオフィスや起業支援施設、観光・集客施設を呼び込みやすくする法案です。歴史的な建物や景観の再生、道路・公園の管理、防災、所有者不明土地への対応もあわせて見直します。

一次資料:国土交通省「都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案」概要PDF

💡 一言で言うと

まちなかに働く場所・人の滞在・地域資産を集め直す法案です。

これまで市町村は、医療・福祉・商業などを中心部へ誘導する「立地適正化計画」をつくることができました。改正後は、オフィスや起業支援施設、集客施設なども誘導対象に加え、古い建物の改修、道路・公園の使い方、防災施設の管理まで、まちづくりの計画に組み込みやすくします。

🔑 何が変わるのか

核心は、市町村が「まちなかに何を集め、どう使い、どう管理するか」を決める制度メニューを増やすことです。

主な改正点は次の通りです。

  • まちなかにオフィス、起業支援施設、観光・集客施設などを誘導する区域を新設します。
  • 地域らしい建物を改修・活用する区域を、市町村の計画に書き込めるようにします。
  • 道路や公園などを、自治体と民間事業者が協定で整備・管理しやすくします。
  • 景観が損なわれた区域で、建物の改修・管理・活用を進める「景観再生事業」をつくります。
  • 居住誘導区域から災害危険区域をすべて外し、防災施設の管理協定も設けます。
  • 再開発や土地区画整理で、所有者が分からない土地に対応する手続きを明確にします。

🏛️ 背景(なぜ今この改正なのか)

国土交通省は、地方部を中心に人口減少が進み、仕事やまちなかの魅力の不足によって若い世代の地方離れが進むと説明しています。

国立社会保障・人口問題研究所の地域別将来推計では、2025年から2030年にかけて1,610市区町村、割合で93.2%の市区町村で総人口が減少するとされています。2045年から2050年にかけては、1,709市区町村、98.9%で人口が減少する推計です。

人口が減ると、買い物、医療、福祉、公共交通などの生活サービスを維持しにくくなります。そのため、住宅だけでなく、働く場所や人が滞在する場所もまちなかに集め、地域の経済活動や公共サービスを支える仕組みを整える内容になっています。

📊 現行制度と改正後の違い

1. まちなかに誘導する施設

現行制度では、立地適正化計画で、医療・福祉・商業などの「誘導施設」を都市機能誘導区域に集める仕組みがあります。

改正後は、ここに特定業務施設等を加えます。これは、オフィス、起業支援施設、集客施設、観光客の来訪や滞在に関わる施設などです。

自治体は「特定業務施設等誘導地区」を都市計画で定め、用途や容積率(建物の床面積の上限に関わる割合)、建築面積の最低限度などを設定できるようになります。

2. 地域らしい建物を活用する区域

改正後は、市町村が都市再生整備計画に固有魅力維持向上区域を位置付けられます。

この区域では、地域の魅力を形づくる建物を公共公益施設として改修・活用する仕組みを設けます。対象となる建物を増築・改築する場合などは、着手の30日前までに市町村長へ届け出る制度も置かれます。

また、一定規模以上の路外駐車場を設ける場合も、着手の30日前までの届け出対象になります。駐車場をまちなかのあちこちに分散させるのではなく、集約駐車施設にまとめるルールを条例で定めることも可能になります。

3. 道路・公園を官民で管理する仕組み

改正後は、自治体と民間事業者などが、公共公益施設の整備・管理について都市再生整備等協定を結べるようになります。

協定に道路や公園の使い方を盛り込むと、歩行者が滞在しやすい道路の指定や、公園内の飲食店・休憩所・案内施設などの設置につなげやすくなります。

協定に基づく公園利用は、協定の公告から5年以内に申請があった場合、一定の条件を満たせば許可される仕組みです。市町村都市再生協議会がつくる「まちづくり推進活動計画」の場合は、公園利用の申請期限は公表から2年以内です。

4. エリアマネジメント活動

市町村都市再生協議会は、まちづくり活動の計画を作成できるようになります。道路管理者や公園管理者などが協議会に入っている場合、道路や公園の活用を計画に書き込めます。

この計画は、おおむね5年ごとに実施状況を調査・分析・評価する仕組みです。

都市再生推進法人には、計画に基づくまちづくり活動や、地域の魅力を形づくる建物の整備・管理を行う業務が追加されます。

5. 防災と所有者不明土地

立地適正化計画では、居住誘導区域から災害危険区域をすべて除外します。災害危険区域は、自治体が条例で建築制限などを置く区域です。

また、防災指針には、業務施設などを利用する人の安全確保も位置付けます。備蓄倉庫などの防災施設については、市町村と所有者が管理協定を結べるようになります。

市街地再開発事業や土地区画整理事業では、所有者が分からない土地について、施行者が裁判所に所有者不明土地管理命令などを請求できることを明確にします。

6. 期限と資金支援

民間都市再生事業計画の国土交通大臣認定について、申請期限を令和9年(2027年)3月31日から、令和14年(2032年)3月31日まで延長します。

また、まちづくり推進活動を行う都市再生推進法人に自治体が無利子で貸し付ける場合、国が自治体に資金の一部を貸し付けられるようにします。償還期間は20年以内で、うち据置期間は5年以内です。

👥 影響を受ける人・対象者

生活者

まちなかの道路、公園、公共施設、商業施設、オフィスなどの配置や使い方に関わります。実際の変更は、自治体が計画や条例、都市計画決定、協定を定めた区域で進みます。

事業者・建物所有者

オフィス、起業支援施設、観光・集客施設などをまちなかに整備する事業者は、用途や容積率の緩和、金融支援の対象になり得ます。

一方で、指定された区域内で建物の増築や駐車場整備を行う場合、30日前の届け出や条例に基づく駐車場ルールの対象になることがあります。

自治体

市町村は、立地適正化計画や都市再生整備計画に書き込める内容が増えます。都道府県には、市町村をまたぐ立地適正化計画や景観計画について、広域的な調整を行う役割が加わります。

📅 施行日と経過措置

法案では、原則として公布の日から6か月以内に政令で定める日に施行するとしています。

一部の規定は、公布の日から1年以内に施行されます。附則には、必要な経過措置と、施行状況を検討する規定も置かれています。

📤 提出・審議状況

この法案は、内閣提出法律案です。主管省庁は国土交通省です。

  • 国会提出:令和8年(2026年)3月10日
  • 衆議院国土交通委員会:2026年4月22日可決
  • 衆議院本会議:2026年4月23日可決
  • 参議院:2026年4月23日受領

🔗 参考リンク


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