産業・交通

産業技術力強化法改正案

国が重点的に支援する産業技術を指定し、企業や大学の研究開発計画・共同研究拠点を認定する制度をつくる改正です。

第221回国会閣法第26号提出者: 内閣提出: 2026/3/12
成立

公布済み

次: 公布・施行

先委先本後委後本成立

一言で言うと

国が重要な技術分野を選び、企業や大学の研究開発を認定して支援し、新しい産業につなげやすくして、国内の技術力を育てる改正です。

この法案のポイント

制度変更を表すイラスト

何が変わる?

国が重点的に支援する産業技術を指定し、企業や大学の研究開発計画・共同研究拠点を認定する制度をつくる改正です。

重点産業技術に関する企業の研究開発計画と、企業と共同研究する大学・研究開発法人などの拠点を認定します。認定後は税額控除、補助金で取得した設備の転用手続、NEDO・JSTの支援につながります。

背景やタイミングを表すイラスト

なぜ今?

AI、量子、半導体など、戦略的に重要な産業技術を国が重点支援する狙いです。

公表資料では、人工知能・先端ロボット、量子、半導体・通信、バイオ・ヘルスケア、フュージョンエネルギー、宇宙が例示されています。条文上の対象技術は個別列挙ではなく、政令で指定する構造です。

関係する人や地域を表すイラスト

誰に関係する?

研究開発を行う企業、大学、大学共同利用機関、研究開発法人に関係します。

企業は認定計画を通じて税制や手続面の支援を受ける入口ができ、大学などは共同研究拠点として認定・公表されます。生活者への直接給付ではなく、重要技術の研究開発を制度と税制で支える内容です。

詳しく読む

人工知能・量子などの重点技術に、企業と大学の研究開発支援を集中へ

🤖 人工知能・量子 / 🧪 研究開発 / 🏫 産学連携 / 💴 税額控除

第221回国会の閣法第26号は、国が重点的に支援する産業技術を指定し、企業の研究開発計画や大学などの共同研究拠点を認定する制度をつくる法案です。

認定を受けた研究開発には、税額控除や設備転用手続の特例、NEDO・JSTによる助言・情報提供などが用意されます。まず押さえる資料は、経済産業省の法律案概要です。

💡 一言で言うと

国が重点技術を選び、企業と大学の研究開発を認定制度で支えます。

これまでの産業技術力強化法には、「人工知能(AI)」「量子」「半導体・通信」などの特定技術を、法律上の重点支援対象として指定する仕組みはありませんでした。

改正後は、国が「重点産業技術」を指定し、企業が研究開発計画を出して認定を受けられるようになります。大学や国立研究開発法人なども、企業と共同研究を行う拠点として認定を受けられます。

🔑 何が変わるのか

核心は、研究開発支援の入口を「重点技術」と「認定計画」に絞って見える化することです。

主な変更点は次のとおりです。

  • 国が、政令で「重点産業技術」を指定します。
  • 企業は、重点産業技術の研究開発計画を主務大臣に提出し、認定を受けられます。
  • 大学や研究開発法人などは、企業との共同研究に必要な人材・設備・体制を備えた機関として認定を受けられます。
  • 認定を受けた企業には、研究開発税制の新しい枠が関係します。
  • 補助金で買った設備などを別の研究開発に使う手続を、計画認定とまとめて扱えるようにします。
  • NEDOは助言、JSTは情報提供を行う役割を持ちます。
  • 国の委託研究で生まれた特許などについて、重点産業技術である場合に利用を促す特例を設けます。

🏛️ 背景(なぜ今この改正なのか)

政府は、産業技術に関する研究開発を進めるため、戦略的に重要な技術を特定し、その研究開発を重点的に支援する必要があると説明しています。

公表資料では、対象となる技術の例として、人工知能・先端ロボット、量子、半導体・通信、バイオ・ヘルスケア、フュージョンエネルギー、宇宙が示されています。ただし、法律案の条文上は個別分野を直接列挙せず、政令で指定する構造です。

研究開発は企業だけで完結しにくく、大学や研究開発法人の知識・設備・人材との連携が関わります。このため、企業側の計画だけでなく、大学などの共同研究拠点も認定する仕組みを置いています。

📊 現行制度と改正後の違い

1. 重点技術の指定

  • 現行制度

産業技術力強化法には、国が「重点産業技術」を政令で指定する制度はありません。

  • 改正後

研究開発の成果が多くの事業で使われる見込みや、技術の新しさを踏まえ、国が「重点産業技術」を指定します。主務大臣は、技術ごとの研究開発の方向性や体制に関する指針を定め、公表します。

2. 企業の研究開発計画

  • 現行制度

重点技術ごとに、企業の研究開発計画を認定する仕組みはありません。

  • 改正後

企業は、単独または他社・研究開発機関と共同で、重点研究開発計画を作成し、認定を申請できます。計画には、研究開発の目標、内容、実施時期、体制、必要資金と調達方法などを記載します。

3. 大学などの共同研究拠点

  • 現行制度

企業と共同して重点技術を研究する大学等の拠点を、法律上認定して公表する制度はありません。

  • 改正後

大学、大学共同利用機関、産業技術研究法人などが、企業との共同研究に必要な人材・設備・体制を備えている場合、認定を受けられます。認定された機関名や基本情報は公表されます。

4. 研究開発税制

  • 現行制度

一般型の研究開発税制では、試験研究費に対する控除率は0〜14%とされています。

  • 改正後

税制改正資料では、認定計画に基づく戦略技術領域の研究開発について、試験研究費の40%を法人税額から控除する「戦略技術領域型」を創設するとされています。認定研究拠点との共同・委託研究では、50%控除の「大学拠点等強化類型」が示されています。

この新しい枠の控除上限は法人税額の10%、控除しきれない分は3年間の繰越が措置されます。令和10年度末、つまり2029年3月31日までに認定を受けた計画について、認定日から最大5年間の適用とされています。

5. 補助金で取得した設備の転用

  • 現行制度

補助金で取得した設備などを、交付目的と異なる研究開発に使う場合、補助金を出した大臣の承認が必要です。

  • 改正後

重点研究開発計画に設備の活用を記載して認定を受けた場合、その認定日に承認があったものとみなされます。企業や研究機関は、計画認定と設備転用の手続をまとめて進められます。

6. 国の委託研究で生まれた特許

「日本版バイ・ドール制度」は、国の委託研究で生まれた特許権などを、一定条件のもとで受託者に帰属させる制度です。

改正後は、その特許権などが重点産業技術に関するもので、受託者が正当な理由なく相当期間利用していない場合、国が利用を促す際の手続に特例を設けます。

👥 影響を受ける人・対象者

主な対象は、研究開発を行う企業、大学、大学共同利用機関、研究開発法人です。

企業にとっては、重点技術の研究開発計画を認定してもらうことで、税制や手続面の支援を受ける入口ができます。

大学や研究開発法人にとっては、企業との共同研究に必要な体制を備えた拠点として認定され、公表される仕組みができます。

生活者との関係では、直接の給付や申請制度ではなく、人工知能、半導体、医療、通信、宇宙などの研究開発を、制度と税制で支える内容です。税額控除を伴うため、国の税制上の支援としても位置づけられます。

📅 施行日と見直し

施行日は、公布の日から1年以内で政令が定める日です。

また、政府は施行後5年を目途に、技術の進歩や経済社会情勢の変化を踏まえて制度の実施状況を検討し、必要な措置を講じるとされています。

🧾 国会提出情報

この法案は、内閣提出法案です。

  • 国会回次:第221回国会
  • 法案番号:閣法第26号
  • 法案名:産業技術力強化法の一部を改正する法律案
  • 提出日:2026年3月13日
  • 先議区分:衆議院先議

🔗 参考リンク


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