安全・司法

ドローン規制法改正案

重要施設周辺のドローン規制区域を広げ、周辺地域での飛行そのものにも罰則を及ぼす改正です。

第221回国会閣法第31号提出者: 内閣提出: 2026/3/23
成立

公布済み

次: 公布・施行

先委先本後委後本成立

一言で言うと

重要施設の周辺でドローンを飛ばせない範囲を広げ、首相滞在先や国際会議の会場も一時的に守れるようにし、警備上の空白を減らします。

この法案のポイント

制度変更を表すイラスト

何が変わる?

重要施設周辺のドローン規制区域を広げ、周辺地域での飛行そのものにも罰則を及ぼす改正です。

施設周辺の規制範囲をおおむね300メートルからおおむね1,000メートルへ広げます。天皇や首相が滞在する会場、外国要人が参加する国際会議の準備・運営会場も、一時的に指定できるようにします。

背景やタイミングを表すイラスト

なぜ今?

ドローンの性能向上で、従来の300メートル規制では重要施設を守る時間を確保しにくくなっているためです。

警察庁資料では、映像伝送距離が500メートルから10キロ程度まで広がり、一部機種は時速150キロで飛行できるとされています。時速150キロなら1,000メートルを24秒で進むため、対処距離の拡大が課題になりました。

関係する人や地域を表すイラスト

誰に関係する?

空撮、測量、点検、農業、物流、警備、捜索などでドローンを飛ばす事業者や自治体に関係します。

例外的に飛ばせる場合でも、現行法では48時間前までの通報が必要です。航空法の対象外になり得る100グラム未満の機体でも、この法律の対象区域では規制にかかります。

詳しく読む

重要施設周辺のドローン規制、300メートルからおおむね1キロへ 閣法31号で何が変わるのか

🚁 ドローン / 🏛️ 重要施設 / 📏 300m→1km / ⚖️ 周辺飛行も処罰対象

第221回国会に2026年3月24日提出された閣法第31号は、国会議事堂や内閣総理大臣官邸、空港、自衛隊施設などの周辺でのドローン規制を見直す法案です。柱は、規制エリアを広げることと、これまで周辺部では警察の命令違反が前提だった罰則を、飛行そのものにも及ぼすことです。 (clb.go.jp)

💡 一言で言うと

例えば、空撮や外壁点検でドローンを使う現場で、これまでは「重要施設から300メートル外か」が一つの目安でした。法案が通れば、その目安はおおむね1キロに広がり、周辺部でも違反飛行そのものが処罰対象になります。加えて、天皇または内閣総理大臣が滞在する会場や、外国要人が参加する国際会議の準備・運営会場も、一時的に規制対象にできるようになります。 (npa.go.jp)

🔑 何が変わるのか

現行法が対象にしているのは、国会議事堂、内閣総理大臣官邸、皇居、最高裁判所庁舎、危機管理行政機関の庁舎、政党事務所、外国公館等、防衛関係施設、空港、原子力事業所などです。法案は、その枠組みを残したまま、主に次の点を変えます。 (npa.go.jp)

  • 規制範囲を、施設の敷地・区域とその周囲おおむね300メートルから、おおむね1,000メートルへ広げます。 (npa.go.jp)
  • 新たな一時指定として、警察庁長官が天皇又は内閣総理大臣の所在する施設を、外務大臣が外国要人が参加する国際会議の準備・運営のために使う施設を、必要な期間だけ指定できるようにします。指定には官報告示が必要です。 (npa.go.jp)
  • イエローゾーンでの違反飛行に、6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金を新設します。 (sangiin.go.jp)
  • 警察官が、対象施設の管理者その他関係者に必要な措置を命じられることを条文上はっきりさせます。 (npa.go.jp)

🏛️ 背景(なぜ今この改正なのか)

この法律は、2015年4月に内閣総理大臣官邸の屋上でドローンが見つかった事案を契機に、2016年に緊急対策として制定されました。その後、2019年に防衛関係施設、2020年に空港が対象に加えられています。 (npa.go.jp)

警察庁の資料では、法制定時に市街地で200〜300メートル程度だった主なドローンの映像伝送距離は、現在は500メートル〜10キロ程度まで広がり、一部機種は時速150キロで飛行できます。検討会報告書では、時速150キロの機体は24秒で1,000メートル進むため、300メートルでは対処時間の確保が難しいと整理されました。 (npa.go.jp)

制度上の空白もありました。現行法では、官邸や皇居のような恒常施設は対象でも、天皇や首相が行事で一時的に滞在する会場は対象にできません。また、外国要人が実際にいる期間の会場は指定できても、国際会議の準備段階の会場は対象にできませんでした。今回の法案は、この点も埋める内容です。 (npa.go.jp)

📊 現行制度と改正後の違い

警察庁の資料では、施設の敷地・区域の上空をレッドゾーン、その周囲をイエローゾーンと説明しています。 (npa.go.jp)

  • 規制エリア

現行は、レッドゾーンとその周囲おおむね300メートルのイエローゾーンです。法案では、このイエローゾーンがおおむね1,000メートルになります。 (npa.go.jp)

  • 罰則

現行では、レッドゾーンの飛行は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。イエローゾーンは、警察官の措置命令に違反した場合に同じ法定刑がかかります。法案はこれに加え、イエローゾーンの違反飛行そのものに6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金を設けます。 (npa.go.jp)

  • 一時的に対象になる場所

現行では、外国要人の所在施設などが期間限定で指定できます。法案はそこに、天皇又は内閣総理大臣の所在施設と、外国要人が参加する国際会議の準備・運営施設を加えます。 (npa.go.jp)

👥 影響を受ける人・対象者

影響が大きいのは、空撮、測量、外壁点検、高所看板の点検、農薬散布、物流、警備、捜索などでドローンを飛ばす事業者や自治体です。現行法では、例外飛行に当たる場合でも48時間前までの通報が必要で、警察庁の資料では都道府県公安委員会への通報は2024年に3,170件ありました。警察庁は、今回の範囲拡大で通報件数の増加を見込んでいます。 (npa.go.jp)

この法律は航空法とは別の規制です。対象区域で飛ばすには、この法律の手続が別に必要です。航空法の対象外になる100グラム未満の機体でも、この法律の規制にはかかります。法律上の対象は、ドローンだけでなく、ラジコン機や一定の気球、ハンググライダー、パラグライダーなどにも及びます。 (npa.go.jp)

実際にどこが対象かは、告示と公開地図で確認することになります。警察庁は対象施設の一覧を示し、地理院地図から対象施設周辺地域の範囲を確認できるようにしています。 (npa.go.jp)

📅 施行日と経過措置

法案では、施行日は公布から20日後です。すでに対象施設になっている場所については、1キロ化に伴う区域指定や告示を施行前から進められるようにしています。新しく追加される一時的な会場も、警察庁長官または外務大臣が必要な期間を定めて指定し、官報で告示したものが対象になります。 (npa.go.jp)

🔗 参考リンク


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