産業・交通

郵便法等改正案

郵便料金の上限を政令でなく総務省令で定める仕組みにし、郵便・信書便の料金見直しをしやすくする改正です。

第221回国会閣法第34号提出者: 内閣提出: 2026/3/23
成立

公布済み

次: 公布・施行

先委先本後委後本成立

一言で言うと

軽い封書の料金上限を法律で直接決める形から、日本郵便の申請と国の確認で決める形へ変え、郵便料金を見直しやすくする改正です。

この法案のポイント

制度変更を表すイラスト

何が変わる?

25g以下の定形郵便物の料金上限を、総務省令で定める方式から総務大臣の認可制へ移す改正です。

日本郵便が上限額を定めて認可を受ける仕組みにし、一般信書便事業者の相当サービスにも同様の上限認可を導入します。料金そのものを法案で決めるのではなく、次回以降の上限の決め方を変えます。

背景やタイミングを表すイラスト

なぜ今?

郵便物が大きく減る一方、全国配達網の維持費は残るため、料金上限を見直しやすい制度にする狙いです。

情報通信審議会答申では、内国郵便物数は2001年度の262.2億通をピークに、2024年度は125.4億通まで減少したとされています。郵便事業は2022年度に民営化後初の赤字となり、2023年度は赤字額が896億円に広がりました。

関係する人や地域を表すイラスト

誰に関係する?

郵便を多く使う企業、自治体、団体、手紙やはがきを使う個人に関係します。

請求書、通知書、契約書類、税や福祉の通知などを郵送する業務では、料金上限の変更が郵送費や電子化の進め方に関わります。認可手続では、原価や適正利潤を超えない水準かが審査されます。

詳しく読む

封書料金の上限を「省令」から「認可制」へ 郵便料金の決め方を変える法案

📮 郵便料金 / ✉️ 定形郵便 / 🏛️ 総務大臣認可

この法案は、手紙の料金そのものよりも、料金上限の決め方を変える内容です。

次回以降、軽い定形封書の料金上限は、日本郵便などが申請し、総務大臣が認可する仕組みに移ります。

💡 一言で言うと

軽い封書の料金上限を、日本郵便の申請で決める制度に変えます。

いまは、25g以下の定形郵便物の料金上限を総務省令で定めています。2024年にはこの上限が84円から110円に改められ、郵便料金も2024年10月1日から、定形郵便物は50gまで110円、通常はがきは85円になっています。

改正後は、次回以降の上限額について、日本郵便が上限を定めて総務大臣の認可を受ける形になります。総務大臣は、効率的に運営した場合の原価や適正な利潤を超えない水準かどうかを審査します。

🔑 何が変わるのか

主な変更点は3つです。

  • 25g以下の定形郵便物の料金上限
  • 現行:総務省令で上限額を定める
  • 改正後:日本郵便が上限額を定め、総務大臣の認可を受ける
  • 郵便料金全体の考え方
  • 現行:郵便事業の適正な原価と適正な利潤を料金でまかなうという書き方
  • 改正後:その水準を上回らず、会社の経営状況に照らして適切な料金とする書き方
  • 一般信書便事業者の料金上限
  • 25g以下の定形郵便物に相当する信書便物についても、同じように上限額を総務大臣が認可する制度になります

🏛️ 背景(なぜ今この改正なのか)

背景にあるのは、郵便物の減少です。

情報通信審議会の答申では、内国郵便物数は2001年度の262.2億通をピークに減り続け、2024年度には125.4億通まで減少したとされています。ピーク時から52.2%減った計算です。

一方で、郵便は全国に配達網を持つサービスです。郵便物が減っても、配達先を大きく減らせるわけではありません。答申では、2023年度の郵便事業の営業費用1兆2,792億円のうち、人件費が9,619億円、約75%を占めることも示されています。

郵便事業の収支は、2022年度に民営化後初めて赤字となり、赤字額は211億円でした。2023年度には赤字額が896億円に広がっています。

こうした状況の中で、2024年には定形郵便物の料金上限が84円から110円に改定されました。今回の法案は、その次の料金上限の見直しから、総務省令を改正する形ではなく、日本郵便の申請と総務大臣の認可で進める制度に変えるものです。

📊 現行制度と改正後の違い

1. 25g以下の定形郵便物

現行制度では、25g以下の定形郵便物の料金は、総務省令で定める上限額を超えられません。2024年6月13日の省令改正で、この上限額は110円になりました。

改正後は、日本郵便がこの上限額を定め、総務大臣の認可を受けます。認可の審査では、郵便事業を効率的に運営した場合の適正な原価と適正な利潤を含む水準を超えていないかが見られます。

2. 通常はがき

通常はがきについては、現行どおり「定形郵便物の最も低い料金より低いこと」という条件が関係します。

現在の料金は、定形郵便物が50gまで110円、通常はがきが85円です。法案は、はがき料金を直接いくらにするかを定めるものではありませんが、定形郵便物の上限が変われば、はがき料金の条件にも関わります。

3. 一般信書便事業者

信書便とは、手紙のように特定の相手へ意思や事実を伝える文書を送るサービスです。

改正後は、一般信書便事業者も、25g以下の定形郵便物に相当する信書便物について、料金上限を定めて総務大臣の認可を受ける仕組みになります。

👥 影響を受ける人・事業者

影響が出やすいのは、郵便を多く使う人や組織です。

  • 請求書、通知書、契約関係書類を郵送する企業
  • 税や福祉などの通知を送る自治体
  • 会員向け書類を送る団体
  • 手紙やはがきを日常的に使う個人
  • 信書便事業への参入を考える事業者

料金が変わる場合、企業や自治体では郵送費、封入作業、電子化の進め方に関わります。個人にとっては、手紙やはがきを出すときの負担に関わる制度変更です。

📅 施行日と経過措置

施行日は、公布の日から6か月以内で政令が定める日です。

ただし、一般信書便事業者が施行前に料金上限の認可申請をできる準備規定などは、公布の日から施行されます。

また、郵便法については経過措置があります。施行日の前日に総務省令で定められている25g以下の定形郵便物の上限額は、施行日に日本郵便が総務大臣の認可を受けた上限額とみなされます。

🔭 今後の論点

制度が変わると、次に焦点となるのは「上限額をどう計算するか」です。

情報通信審議会の答申では、料金上限の算定基準について、原価の考え方、郵便物数の将来見通し、効率化を促す仕組み、適正な利潤の説明などを検討する必要が示されています。

郵便料金は、利用者の負担と全国配達網の維持の両方に関わります。法案成立後は、総務大臣の認可手続でどの程度の資料が示されるか、利用者に分かりやすい説明が行われるかが見られることになります。

🔗 参考リンク


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