地方・インフラ

地方分権一括法案

自治体提案をもとに、空き家、福祉、監査、公社など11項目17法律の事務手続きをまとめて見直す法案です。

第221回国会閣法第37号提出者: 内閣提出: 2026/3/26
成立

公布済み

次: 公布・施行

先委先本後委後本成立

一言で言うと

自治体からの提案に合わせ、地域の手続きや公表ルールをまとめて簡素にし、現場で使いやすくして、自治体の裁量を広げる法案です。

この法案のポイント

制度変更を表すイラスト

何が変わる?

自治体提案をもとに、空き家、福祉、監査、公社など11項目17法律の事務手続きをまとめて見直す法案です。

空家等管理活用支援法人の対象拡大、地方債のデジタル証券発行、戸籍電子証明書のオンライン公用請求、財政状況の公表回数見直し、公社等の解散公告回数削減などを一括で行います。

背景やタイミングを表すイラスト

なぜ今?

自治体が現場で感じる制度上の不便や事務負担を、国への提案募集を通じて直すためです。

内閣府の提案募集方式は平成26年から導入されています。令和7年の提案募集では地方から408件の提案があり、デジタル化に関する提案が121件、人口減少地域等のサービス空白解消に関する提案が44件でした。

関係する人や地域を表すイラスト

誰に関係する?

自治体、空き家対策団体、介護・障害福祉事業者、公社、自治体の財政情報を見る住民に関係します。

住民に新しい申請を求める内容というより、自治体や関係団体の手続きを軽くする改正です。空き家相談の担い手拡大、戸籍確認のオンライン化、住所公表範囲の見直しなどを通じて生活者にも関係します。

詳しく読む

空き家・戸籍・地方債まで一括見直し 「第16次地方分権一括法案」で変わる自治体の仕事

🏘️ 空き家対策 / 🧾 自治体事務 / 💻 デジタル化 / 👥 福祉人材

自治体の事務を中心に、11項目・17法律をまとめて見直す法案です。

住民に関係する点では、空き家対策の担い手拡大、戸籍の公用請求のオンライン化、住所公表ルールの見直しなどがあります。

💡 一言で言うと

自治体の手続きや公表ルールを、現場の提案に合わせてまとめて簡素にする法案です。

この法案は、いわゆる第16次地方分権一括法案です。一括法とは、複数の法律をまとめて改正する法律案のことです。

主な対象は、自治体、福祉サービス事業者、空き家対策に関わる団体、公社などです。生活者には、空き家相談の担い手が広がることや、行政内部の戸籍確認がオンライン化されること、住所の公表範囲が見直されることなどを通じて関係します。

🔑 何が変わるのか

改正の柱は、大きく3つです。

  1. 人口減少に対応する地域づくり
  • 空家等管理活用支援法人に、商工会議所や商工会などの非営利法人も指定できるようにします。
  1. デジタル化
  • 地方債をデジタル証券方式で発行できるようにします。
  • 都道府県などが戸籍電子証明書をオンラインで公用請求できるようにします。
  1. 自治体事務の簡素化
  • 財政状況の公表回数を、法律上の最低回数で見ると年2回以上から年1回以上にします。
  • 公社などの解散公告を3回以上から1回にします。
  • 外部監査人の補助者や土地区画整理組合の理事について、住所公表の範囲を見直します。

🏛️ 背景:なぜ今この改正なのか

この法案の出発点は、自治体から国への制度改正の提案です。

内閣府は平成26年から「提案募集方式」を導入しています。これは、自治体が現場で感じている制度上の不便や重い事務について、国に見直しを提案する仕組みです。

令和7年の提案募集では、地方から408件の提案がありました。そのうち、重点テーマの「デジタル化」に関する提案が121件、「人口減少地域等におけるサービス空白地域の解消等」に関する提案が44件でした。

政府は令和7年12月23日に対応方針を閣議決定し、法律改正が必要なものを今回の一括法案にまとめました。

📊 現行制度と改正後の違い

1. 空き家対策:支援法人の対象が広がる

空家等管理活用支援法人は、空き家の所有者への情報提供、相談対応、管理・活用などを担う法人です。

  • 現行
  • NPO法人
  • 一般社団法人
  • 一般財団法人
  • 空き家の管理・活用を目的とする会社
  • 改正後
  • 上記に加えて、その他の営利を目的としない法人も指定対象になります。
  • 政府資料では、商工会議所や商工会などが例として示されています。

2. 地方債:デジタル証券で発行できるようになる

地方債は、自治体が資金を調達するために発行する債券です。

  • 現行
  • 紙の証券による発行:可能
  • 振替債:可能
  • デジタル証券方式:不可
  • 改正後
  • デジタル証券方式での地方債発行が可能になります。

デジタル証券方式とは、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術を使い、電子的に発行・管理する有価証券です。

3. 戸籍:都道府県などの公用請求をオンライン化

公用請求とは、国や自治体の機関が、法令上の事務に必要な場合に戸籍証明書などを請求することです。

  • 現行
  • 都道府県などは、戸籍証明書等を郵送で請求・交付する運用が中心です。
  • 市区町村の機関による戸籍電子証明書等の請求は、すでに可能です。
  • 改正後
  • 都道府県なども、戸籍電子証明書等をオンラインで請求できるようにします。
  • 使用料は政令で定める仕組みで、法案本文には金額は書かれていません。

4. 福祉人材確保の補助金:国保連に事務を委託できる

対象になるのは、介護サービス、障害福祉サービス、障害児通所支援などの人材確保を目的とした補助金です。

  • 現行
  • 都道府県が事務を行います。
  • 改正後
  • 補助金の交付に関する事務を、都道府県から国民健康保険団体連合会(国保連)に委託できるようにします。
  • ただし、交付決定そのものは都道府県が行います。

国保連は、都道府県単位で設立され、介護報酬や障害福祉サービス等報酬の審査・支払いなどを扱う団体です。

5. 財政状況などの公表:最低回数が2回から1回へ

  • 地方公共団体の財政状況
  • 現行:毎年2回以上
  • 改正後:毎会計年度1回以上
  • 地方公営企業の業務状況
  • 現行:毎事業年度2回以上
  • 改正後:毎事業年度1回以上

一方で、予算の要領、決算の要領、健全化判断比率など、別の公表制度は残ります。

6. 公社などの解散公告:3回以上から1回へ

土地開発公社、地方独立行政法人、港務局、地方住宅供給公社、地方道路公社、広域臨海環境整備センターが解散する場合の公告が変わります。

  • 現行:官報で3回以上公告
  • 改正後:官報で1回公告

把握している債権者には、公告とは別に個別の催告を行う仕組みです。

7. 住所の公表:個人情報の扱いを見直す

  • 外部監査人の補助者
  • 現行:住所を告示
  • 改正後:住所の告示を廃止
  • 土地区画整理組合の理事
  • 現行:住所を公告
  • 改正後:組合が申し出た場合、住所の公告を市区町村までにできます。

8. 電波・測量:自治体側の掲示や公示を減らす

  • 伝搬障害防止区域図
  • 現行:関係する地方公共団体の事務所などに備え付け
  • 改正後:備え付けを廃止
  • 国が運用するインターネット上の縦覧システムは続きます。
  • 基本測量・公共測量
  • 現行:都道府県が実施・終了を公示
  • 改正後:都道府県による公示を廃止し、国土地理院が公示します。

9. 財産区:条例提案の手続きを見直す

財産区は、市区町村の一部が山林や用水路などの財産を持ち、管理する特別地方公共団体の一種です。

財産区議会や総会を設ける条例について、都道府県知事による提案に加え、市区町村側からも条例案を出せるようにします。

📅 施行日と経過措置

法案どおり成立・公布された場合、施行日は項目ごとに分かれます。

  • 公布の日
  • 障害児通所支援、介護、障害福祉の人材確保補助金に関する改正
  • 公布の日から3か月後
  • 空き家対策
  • 外部監査人補助者の住所告示廃止
  • 公社等の解散公告
  • 電波法関係
  • 財産区関係など
  • 令和8年10月1日
  • 土地区画整理組合の理事住所公告の見直し
  • 公布の日から6か月後
  • 測量法関係
  • 令和9年4月1日
  • 地方債のデジタル証券方式
  • 財政状況・地方公営企業の公表回数見直し
  • 公布の日から2年以内で政令で定める日
  • 戸籍電子証明書等のオンライン公用請求

地方債については、令和9年4月1日以後に募集または交付するものから新制度を適用します。

👥 影響を受ける人・団体

  • 空き家の管理・活用に関わる団体
  • 商工会議所、商工会など地域団体
  • 介護、障害福祉、障害児通所支援の事業者
  • 都道府県、市区町村
  • 土地開発公社や地方住宅供給公社など
  • 土地区画整理組合の理事
  • 外部監査人の補助者
  • 自治体の財政情報を確認する住民

住民に直接新しい申請を求める内容よりも、自治体や関係団体の事務手続きの見直しが中心です。

🧭 国会での位置づけ

この法案は、第221回国会に内閣提出法案として提出された閣法第37号です。

提出日は令和8年3月27日です。参議院の議案情報では、衆議院先議とされ、衆議院の地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会で令和8年4月23日に可決されています。

🔗 参考リンク


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