下水道法等改正案
下水道管の点検・診断、改築、道路管理者との連携を強め、管理状況や収支見通しの公表も進める改正です。
衆議院 本会議を通過
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一言で言うと
老朽化した下水道管の点検や修理を早めに進め、道路の下にある管の情報も共有しやすくして、事故や陥没への備えを強める改正です。
この法案のポイント

何が変わる?
下水道管の点検・診断、改築、道路管理者との連携を強め、管理状況や収支見通しの公表も進める改正です。
施設の安全性を評価する診断基準を法制化し、工事や維持管理の状況を公表する仕組みを置きます。道路管理者と道路占用者が点検・修繕協定を結べるようにし、地下埋設物の工事後には竣工図提出も求めます。

なぜ今?
埼玉県八潮市の道路陥没事故を受け、老朽化した下水道管と道路地下空間の管理を見直す必要があるためです。
事故箇所には管径4.75m、1983年整備の流域下水道管があり、関連12市町の約120万人に下水道使用自粛が求められました。全国の下水道管路約50万kmのうち、標準耐用年数50年超は2023年度末で約4万km、20年後には約21万kmに増える見通しです。

誰に関係する?
下水道を使う住民・事業者、下水道を管理する自治体、道路占用者に関係します。
下水道使用料の算定原則には、将来の改築資金として積み立てるべき額を含める考え方が明記されます。個別の使用料額は各自治体の条例で決まり、公表資料では全国一律の改定額は示されていません。
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下水道管の点検・改築を「見える化」へ 道路陥没を受けた下水道法改正案
🚧 下水道 / 🕳️ 道路陥没 / 🛣️ 道路地下空間 / 💧 使用料
第221回国会に提出された「下水道法等の一部を改正する法律案」は、下水道管の点検・診断、改築、道路管理者との連携を見直す内容です。自治体の管理状況を公表し、都道府県を含めた広域連携を進める仕組みを入れます。
💡 一言で言うと
下水道管の安全確認、改築費、道路下の情報を見える形にする法案です。
これまでの点検・修繕の仕組みに加え、下水道管の安全性を評価する基準、公表ルール、将来の改築費を含めた収支見通しを法律に位置づけます。
道路の下にある下水道管、ガス管、水道管などについても、道路管理者と占用者が協定を結び、点検や修繕を連携して行えるようにします。
🔑 何が変わるのか
主な変更点は、次の3つです。
1つ目は、下水道管の点検・診断の見直しです。
施設の安全性を評価する診断基準を法制化し、下水道管理者が工事や維持管理の状況を公表する仕組みを入れます。
2つ目は、道路地下空間の管理強化です。
道路占用者(道路管理者の許可を受け、道路の上や地下に施設を置いて使う者)と道路管理者が、点検や修繕の協定を結べるようにします。地下に埋める施設の工事完了時には、竣工図などの提出も義務づけます。
3つ目は、下水道事業の広域連携と費用の見える化です。
都道府県が広域連携推進計画をつくり、市町村の公共下水道を都道府県が管理できる制度などを設けます。下水道使用料(利用者が払う料金)の算定原則には、将来の改築資金として積み立てるべき額を含める考え方を明記します。
🏛️ 背景(なぜ今この改正なのか)
背景にあるのは、2025年1月28日に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故です。国土交通省の資料では、陥没箇所には管径4.75m、1983年整備の流域下水道管が埋設されていたとされています。
事故では、関連する12市町の約120万人に下水道の使用自粛が求められました。下水道は普段目に見えませんが、破損すれば道路交通、生活排水、周辺自治体の暮らしに影響します。
老朽化も進んでいます。国土交通省によると、2023年度末の全国の下水道管路は約50万kmです。このうち標準耐用年数50年を超えた管路は約4万km、全体の約7%です。10年後には約10万km、20年後には約21万kmに増える見通しとされています。
📊 現行制度と改正後の違い
1. 点検から「診断」まで広げる
現行制度では、腐食のおそれが大きい下水道管路について、5年に1回以上の点検が定められています。
改正後は、点検に加えて、施設の安全性を評価する診断基準を法律上の基準に含めます。点検した結果をどう判断し、修繕や改築につなげるかをより明確にする狙いです。
2. 維持管理の状況を公表する
改正後は、下水道管理者が、下水道施設の工事や維持管理の状況について、国土交通省令で定める事項をインターネットなどで公表する義務を負います。
また、公共下水道管理者は、改築費を含む管理収支の見通しを作成し、公表するよう努めることになります。
3. 使用料に「将来の改築資金」を明記する
現行の使用料原則では、能率的な管理の下での適正な原価を超えないことなどが定められています。
改正後は、この原価に、改築を実施するため将来必要となる資金として積み立てるべき額を加える考え方を明記します。個別の使用料額は各自治体の条例で決まります。公表資料では、全国一律の改定額や改定時期は示されていません。
4. 市町村単位から広域連携へ
公共下水道は、原則として市町村が管理します。改正後は、都道府県が広域連携推進計画をつくり、複数の下水道管理者の連携を進める制度を設けます。
計画に位置づけられた場合、都道府県が市町村の公共下水道を管理できるようになります。その場合、市町村側では議会の議決が必要です。
5. 道路の下の管を道路管理者と連携して管理する
道路法も改正します。道路管理者と道路占用者が、道路や占用物件の点検・修繕について「占用物件等維持修繕協定」を結べるようになります。
また、道路占用許可の申請書に、占用物件の維持管理に関する事項を追加します。道路地下に埋設する占用物件の工事が終わったときは、竣工図などを添えて届け出ることになります。
6. 下水道区域の見直しを制度化する
人口減少などを踏まえ、公共下水道で処理する必要がなくなった区域について、排水区域や処理区域を廃止できる規定を整えます。
廃止する場合は、予定年月日や区域を公示し、図面を縦覧に供します。代わる措置を講じる場合を除き、区域内の使用者の同意も必要です。
👥 影響を受ける人・対象者
- 下水道を使う住民・事業者
管理状況や収支見通しが公表され、使用料の考え方にも将来の改築費が明記されます。
- 市町村・都道府県
点検、診断、公表、改築計画、広域連携の対応が求められます。
- 道路占用者
下水道管、水道管、ガス管、電線などを道路に設置する事業者・管理者は、維持管理事項の記載や竣工図提出の対象になります。
📅 施行日と経過措置
この法律案は、一部を除き、公布の日から6か月以内に政令で定める日に施行されます。
都道府県による公共下水道の復旧工事代行など一部の規定は、公布の日から3か月以内に政令で定める日に施行されます。
また、施行前に出され、施行時点で処分が終わっていない道路占用許可申請については、従前の例による経過措置があります。施行後5年を目途に、政府が施行状況を検討する規定も置かれています。
📖 用語解説
- 公共下水道
主に市町村が管理し、家庭や事業所の下水を集める下水道です。
- 流域下水道
複数市町村の下水を広域で処理する下水道で、主に都道府県が管理します。
- 改築
老朽化した施設を新しい施設に取り替えることです。
- 修繕
施設を修理して機能を維持することです。
- 道路占用
道路の上や地下に、電線、ガス管、水道管、下水道管などを設置して継続的に使うことです。
🔗 参考リンク
- 参議院 議案情報:下水道法等の一部を改正する法律案
- 参議院 提出法律案PDF
- 国土交通省 国会提出法律案
- 国土交通省 報道発表資料
- 法律案の概要PDF
- 法律案要綱PDF
- 法律案・理由PDF
- 新旧対照条文PDF
- 国土交通省 下水道の維持管理
- 国土交通省 下水道等に起因する大規模な道路陥没事故を踏まえた対策検討委員会
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