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宇宙活動法等改正案

ロケット打上げや衛星を載せない試験も国の許可・認定対象にし、宇宙活動の安全責任を広げる改正です。

第221回国会閣法第40号提出者: 内閣提出: 2026/3/26
成立

公布済み

次: 公布・施行

先委先本後委後本成立

一言で言うと

人工衛星を載せないロケットの打上げも、事故や落下に備えて国の許可や安全確認の対象に入れ、宇宙ビジネスの安全ルールを整える改正です。

この法案のポイント

制度変更を表すイラスト

何が変わる?

ロケット打上げや衛星を載せない試験も国の許可・認定対象にし、宇宙活動の安全責任を広げる改正です。

法律名を「宇宙ロケットの打上げ及び特定人工衛星の管理に関する法律」に改め、人工衛星を載せない打上げや、制御できない人工物を宇宙に送る場合も制度対象にします。落下などによる損害賠償の対象も広げます。

背景やタイミングを表すイラスト

なぜ今?

民間参入や技術革新で、衛星を載せない試験打上げなどロケット打上げの形が多様化しているためです。

内閣府の規制評価書では、ダミーペイロードだけを載せたロケットや、何も搭載していないロケットの打上げが現行法の規制対象外となっていると説明されています。打上げ許可や衛星管理許可の件数も増えています。

関係する人や地域を表すイラスト

誰に関係する?

宇宙ロケットの開発・打上げ事業者、大学、研究機関、宇宙ビジネスに関係します。

研究用の人工物や記念物のような、制御できない人工物を宇宙に投入する場合も打上げ前の確認制度に関わります。生活者との接点は、打上げ事故や落下物による損害が起きた場合の責任と補償です。

詳しく読む

衛星を載せない宇宙ロケットの打上げも許可制に

🚀 宇宙ロケット / 🛰️ 衛星・人工物 / 🛡️ 安全審査・損害賠償

宇宙活動法を、人工衛星中心の制度から「ロケットの打上げ」そのものを見る制度へ組み替える法案です。衛星を載せない試験打上げや、制御できない人工物を軌道に投入する場合も、国の許可・認定や損害賠償ルールの対象に加えます。

参考:内閣府・法案概要PDF

💡 一言で言うと

衛星を載せない宇宙ロケットも、国の許可対象に入ります。

現行の宇宙活動法は、人工衛星を載せて軌道に入れる打上げを中心にした制度です。改正後は、試験用のおもりや模型である「ダミーペイロード」だけを載せる打上げ、人工衛星を載せない打上げ、制御できない人工物を宇宙へ送るケースにも対応します。

🔑 何が変わるのか

核心は、「人工衛星をどう管理するか」から「宇宙ロケットをどう安全に打ち上げるか」へ、制度の軸を広げることです。

主な変更点は次の通りです。

  • 法律名を「宇宙ロケットの打上げ及び特定人工衛星の管理に関する法律」に変更
  • 人工衛星の搭載・分離を伴わない宇宙ロケットの打上げを許可対象に追加
  • 制御できない人工物について、打上げ前に構造の適合認定制度を新設
  • ロケットや人工物の落下などで生じる損害について、賠償責任の対象を拡大
  • 宇宙基本法に、ロケット開発に必要な機器・技術の研究開発推進を追加
  • 宇宙政策委員会の審議対象に、宇宙ロケット打上げの安全確保を明記

🏛️ 背景(なぜ今この改正なのか)

内閣府は、宇宙開発利用について、新規参入事業者の増加や技術革新により、ロケット打上げの形が多様化していると説明しています。

現行法は、平成28年に成立した「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律」、いわゆる宇宙活動法です。制度は、人工衛星を軌道に入れ、その後に管理することを中心に作られています。

一方で、近年はロケット開発の試験として、人工衛星を載せずに打ち上げる形や、制御用の無線設備を持たない人工物を宇宙に投入する形が想定されています。内閣府の規制評価書では、ダミーペイロードだけを載せたロケットや、何も搭載していないロケットの打上げが、現行法の規制対象外となっていると説明されています。

許可件数も増えています。内閣府公表資料では、人工衛星等の打上げ許可は平成30年度の1件から令和7年度の4件へ、人工衛星の管理許可は平成30年度の12件から令和7年度の31件へ増えています。

📊 現行制度と改正後の違い

1. 法律名と制度の見方

  • 現行

「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律」

  • 改正後

「宇宙ロケットの打上げ及び特定人工衛星の管理に関する法律」

改正後は、人工衛星そのものだけでなく、宇宙ロケットの打上げ行為を正面から制度の対象にします。

2. 許可が必要な打上げ

  • 現行

人工衛星を載せて打ち上げ、一定の速度・高度で人工衛星を分離する打上げが中心です。

  • 改正後

宇宙ロケットの打上げが対象になります。人工衛星を載せない打上げや、人工衛星の分離を伴わない打上げも、許可の対象に入ります。

ここでいう「宇宙ロケット」は、地球から発射され、地球を回る軌道、その外、または地球以外の天体に達する推力を持つロケットです。

3. 打ち上げる人工物の確認

改正案では、人工衛星のうち、位置・姿勢・状態を制御できるものを「特定人工衛星」と呼びます。

一方、制御できない人工物については、「搭載前人工衛星等」として、打上げ前に構造が基準に合っているかを国が認定する制度を作ります。基準の細目は内閣府令で定める仕組みです。

4. 損害賠償の対象

現行制度にも、ロケットや人工衛星の落下などで損害が生じた場合の賠償ルールがあります。

改正後は、この対象を広げます。衛星を載せない宇宙ロケットの打上げも、ロケット落下などによる損害賠償制度の対象になります。

また、制御できない人工物を搭載して打ち上げた場合、その人工物の落下などで損害が生じたときは、打上げを行った者や、搭載を委託した者が責任を負う仕組みになります。

👥 影響を受ける人・対象者

主な対象は、宇宙ロケットの開発・打上げを行う事業者です。

大学、研究機関、企業などが、研究用の人工物や記念物のようなものを宇宙に投入する場合も、打上げ前の確認制度に関係します。

一般の生活者との接点は、打上げ事故や落下物による損害が生じた場合の責任と補償のルールです。法案は、誰が責任を負うのかを、より広い打上げ形態に合わせて定め直します。

📅 施行日と見直し

原則として、公布日から1年以内に政令で決める日に施行されます。

ただし、宇宙基本法の改正部分は公布日から施行されます。

また、政府は施行後3年をめどに、改正後の制度の運用状況を検討し、必要がある場合は措置を講じることとされています。

🏛️ 国会での手続き

この法案は内閣提出法案です。主管省庁は内閣府、所管部局は宇宙開発戦略推進事務局です。

国会での主な経過は次の通りです。

  • 2026年3月27日:内閣が提出
  • 2026年4月22日:参議院の特別委員会で可決
  • 2026年4月24日:参議院本会議で可決
  • 2026年6月2日:衆議院内閣委員会に付託
  • 2026年6月10日:衆議院内閣委員会で可決

参議院本会議の投票結果は、投票総数242、賛成231、反対11でした。

🔗 参考リンク


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