農業・食料

食糧法改正案

米の流通報告と民間備蓄の仕組みを広げ、供給不足時に備蓄米を動かしやすくする改正です。

第221回国会閣法第48号提出者: 内閣提出: 2026/4/2
審議中

参議院 農林水産委員会で審議中

次: 参議院 委員会

先委先本後委後本成立

一言で言うと

コメの在庫や流れを国が把握しやすくし、必要な時に民間在庫も備蓄として使えるようにして、米の安定供給を支える改正です。

この法案のポイント

制度変更を表すイラスト

何が変わる?

米の流通報告と民間備蓄を広げ、品薄時に民間在庫も含めて動かせるようにする改正です。

出荷・販売業者だけでなく、加工・中食・外食なども一定規模なら届出や定期報告の対象になります。大規模な出荷・販売事業者には基準量以上の米を常時保有する民間備蓄も求めます。

背景やタイミングを表すイラスト

なぜ今?

米価高騰を受け、国がコメの流れや在庫を十分につかめていなかったことが課題になったためです。

政府資料では、政府備蓄米が小売に届くまで22〜72日かかった例がある一方、民間在庫なら4〜20日で届くとのヒアリング結果が示されています。精米歩留まりの悪化やインバウンド需要も、供給不足の背景として整理されています。

関係する人や地域を表すイラスト

誰に関係する?

米の出荷・販売業者、加工・中食・外食事業者、生産者、消費者に関係します。

対象事業者は在庫数量、出荷・販売数量、買入数量などを報告します。民間備蓄の基準量は前年の出荷・販売数量をもとに定められ、供給不足時には放出要請、勧告、公表、命令の対象になり得ます。

詳しく読む

コメの流れを国が把握し、民間在庫も備蓄に使う法案

🌾 コメ / 📦 流通把握 / 🏛️ 官民備蓄 / 🚜 需要に応じた生産

コメ価格の高騰を受け、国が米の流通状況を広く把握し、一定規模の民間事業者にも備蓄を求める法案です。成立すれば、加工・中食・外食なども届出や定期報告の対象になり、供給不足時に民間備蓄を動かす仕組みが入ります。

💡 一言で言うと

コメの流れを国が把握し、民間在庫も備蓄として動かす法案です。

これまでの制度は、政府備蓄を中心にコメ不足へ対応する仕組みでした。改正案では、国が把握する対象を出荷・販売業者から加工・中食・外食などへ広げ、一定規模以上の事業者には在庫や販売量などの定期報告を求めます。

さらに、大規模な出荷・販売事業者には、一定量のコメを常時保有する「民間備蓄」を義務づけます。生活者への関係は、品薄時にどの在庫をどのように市場へ出せるかという点に表れます。

🔑 何が変わるのか

  • 流通の見える化:一定規模以上の出荷・販売業者に加え、加工・中食・外食なども届出・定期報告の対象にします。
  • 定期報告の義務化:在庫数量、出荷・販売数量、買入数量などを、国に定期的に報告します。
  • 民間備蓄の創設:大規模な出荷・販売事業者に、基準量以上のコメを常時保有する義務を課します。
  • 供給不足時の放出手続:農林水産大臣が民間備蓄の放出を要請し、必要な場合は勧告・公表・命令まで行えるようにします。
  • 備蓄目的の拡大:不作だけでなく、需要増などによる供給不足にも備蓄を使えるようにします。
  • 生産調整方針の廃止:米の需要減少を前提にした生産調整方針の規定を削除し、生産者が需要に応じた生産に努める規定を置きます。
  • 罰則の整備:定期報告をしない場合や虚偽報告をした場合などに、罰金などの規定を設けます。

🏛️ 背景:なぜ今この改正なのか

農林水産省の資料では、近年の米価高騰を検証する中で、国が多様化した流通実態を十分に把握できていなかったことが課題として示されています。

また、政府備蓄米の売渡しには、入札や契約などの手続が必要です。政府資料では、政府から小売事業者まで届くまでに、入札では27〜72日、随意契約では22〜48日を要した一方、民間事業者の在庫なら4〜20日で小売まで届けられるとのヒアリング結果が示されています。

もう一つの背景は、米の需要の見方です。従来は人口減少などによる需要減少を前提に制度が組まれてきましたが、精米歩留まりの悪化やインバウンド需要の増加などにより、需要に対する供給不足が生じたと整理されています。

📊 現行制度と改正後の違い

国が把握する対象

  • 現行:1年間に20精米トン以上の米穀を出荷・販売する事業者が届出対象です。
  • 改正後:出荷・販売に加え、米を原材料とする飲食料品の加工・製造・調製を行う一定規模以上の事業者も対象になります。農林水産省の事前評価書では、対象を約9.2万事業者としています。

報告の頻度と内容

  • 現行:届出や帳簿の備付けが中心です。
  • 改正後:在庫数量、出荷・販売数量、買入数量などを定期報告します。農林水産省の資料では、月1回報告が約0.3万事業者、年1回報告が約8.9万事業者とされています。

備蓄の持ち方

  • 現行:政府備蓄が中心です。
  • 改正後:政府備蓄に加え、一定規模以上の民間の出荷・販売事業者にも備蓄を求めます。各事業者の基準保有量は前年の出荷・販売数量の10%を超えない範囲、全事業者の合計は政府備蓄目標数量のおおむね25%を超えない範囲で定めます。

罰則

  • 定期報告違反:報告しない、または虚偽報告をした場合、100万円以下の罰金。
  • 報告徴求違反など:6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金から、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金へ引き上げ。
  • 変更・廃止届出違反:20万円以下の過料から、50万円以下の罰金へ引き上げ。

👥 影響を受ける人・事業者

  • 生活者:品薄時に備蓄米を市場へ出す仕組みに関係します。
  • 米の生産者:需要見通しなどを踏まえ、需要に応じた生産に努める規定が置かれます。
  • 出荷・販売業者:一定規模以上の場合、届出・定期報告・民間備蓄の対象になり得ます。
  • 加工・中食・外食事業者:一定規模以上の場合、届出・定期報告の対象になります。
  • 酒類製造事業者:米を原材料とする酒類製造については、農林水産大臣に加え財務大臣も関わります。

📅 施行日と経過措置

この法律案は、成立・公布後、原則として公布の日から1年以内の政令で定める日に施行されます。

ただし、備蓄目的の見直しは公布の日から、民間備蓄制度は公布の日から2年以内の政令で定める日から施行されます。

また、米穀等取扱事業の届出は施行日の6か月前から、民間備蓄の基準保有量の届出は民間備蓄制度の施行日の3か月前から、準備として行える規定が置かれています。

🔗 参考リンク


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