安全・司法

予備自衛官兼業特例法案

公務員が予備自衛官等を兼ねる際の承認手続きを整理し、訓練招集のたびの兼業許可を不要にする法案です。

第221回国会閣法第50号提出者: 内閣提出: 2026/4/2
成立

公布済み

次: 公布・施行

先委先本後委後本成立

一言で言うと

公務員が予備自衛官などの訓練に参加しやすいよう、兼業の承認手続きを最初の一度にまとめ、有事に備える人員を確保する法案です。

この法案のポイント

制度変更を表すイラスト

何が変わる?

公務員が予備自衛官等を兼ねる際の承認手続きを整理し、訓練招集のたびの兼業許可を不要にする法案です。

予備自衛官補への採用時や予備自衛官・即応予備自衛官への任用時に、所属先の承認を受ける仕組みにします。承認後は、訓練招集などに応じる際の兼業許可や職務専念義務の扱いを法律で整理します。

背景やタイミングを表すイラスト

なぜ今?

予備自衛官などの充足が十分でなく、公務員が訓練に参加しやすい環境を整える必要があるためです。

防衛省資料では、予備自衛官は約7割、即応予備自衛官は約5割の充足にとどまります。政府の基本方針でも、国家公務員や地方公務員が予備自衛官等を兼ねる場合の参加環境整備が掲げられていました。

関係する人や地域を表すイラスト

誰に関係する?

一般職の国家公務員、地方公務員、裁判所職員、関係する省庁や自治体に関係します。

予備自衛官は年5日、即応予備自衛官は年30日の訓練に参加します。一般職国家公務員では、訓練招集中の本務の給与は維持され、実際の招集命令で勤務しない時間は給与を減額する扱いが整理されます。

詳しく読む

公務員が予備自衛官等の訓練に参加しやすくなる法案

🪖 予備自衛官 / 🏛️ 公務員の兼業 / 🕒 訓練・招集

第221回国会の閣法第50号は、公務員が予備自衛官・即応予備自衛官・予備自衛官補を兼ねる際の手続きを整理する新しい法律案です。採用や継続任用の段階で承認を受ければ、訓練招集などのたびに別の兼業許可を求めない仕組みにします。

防衛省「法案概要」PDF

💡 一言で言うと

公務員が予備自衛官等の訓練に出る手続きを、最初の承認にまとめます。

現在は、公務員が予備自衛官等になる場合、兼業の許可や職務専念義務の免除について、所属先で個別に手続きが必要になる場面があります。

改正後は、予備自衛官等に採用・任用される段階で、国なら所轄庁の長、地方なら任命権者の承認を受ける仕組みにします。その承認を受けた職員については、訓練招集などに応じる際の服務上の扱いを法律で整理します。

🔑 何が変わるのか

  • 入口の承認:予備自衛官補に採用される時、予備自衛官・即応予備自衛官に任用される時などに、所属先の承認を受ける仕組みにします。
  • 兼業許可の特例:承認を受けた公務員は、予備自衛官等の職務に従事することについて、国家公務員法や地方公務員法上の兼業許可を改めて要しない扱いになります。
  • 職務専念義務の整理:勤務時間中に招集命令、訓練招集命令、教育訓練招集命令に応じる場合、その勤務しない時間について職務専念義務の規定を適用しないと定めます。
  • 給与の扱い:一般職の国家公務員などでは、実際の招集命令に応じるため勤務しない時間は、1時間ごとに給与を減額します。一方、訓練招集中の本務の給与は維持する設計です。
  • 国の広報責務:国は、予備自衛官等の役割について、広報や啓発を通じて理解を深めるよう努めるとされます。

🏛️ 背景:なぜ今この法案なのか

予備自衛官等は、普段はそれぞれの仕事を持ちながら、必要な時に自衛官として任務や訓練に応じる制度です。

防衛省の説明では、予備自衛官は約7割、即応予備自衛官は約5割の充足状況にとどまっています。政府の基本方針でも、国家公務員や地方公務員が予備自衛官等を兼ねる場合に、訓練へ参加しやすくする施策を講じることが掲げられていました。

この法案は、その方針を受けて、公務員の服務ルール側から参加環境を整えるものです。

📊 現行制度と改正後の違い

1. 予備自衛官等の訓練日数

  • 現行:予備自衛官は年間5日間の訓練、即応予備自衛官は年間30日間の訓練に参加します。予備自衛官補は、一般は3年以内に50日、技能は2年以内に10日の教育訓練を受けます。
  • 改正後:この訓練日数自体は据え置きです。変わるのは、公務員が参加する際の兼業・服務手続きです。

2. 兼業の手続き

  • 現行:予備自衛官等になる時に兼業許可が必要となり、招集に応じる時にも許可が必要となる場合があります。
  • 改正後:採用・任用・継続任用などの段階で承認を受けます。承認後は、予備自衛官等の職務に従事することについて、別の兼業許可を要しない扱いになります。

3. 勤務時間中の訓練・招集

  • 現行:勤務時間中に訓練や招集へ応じる場合、職務専念義務を免除するかどうかを所属先が判断します。
  • 改正後:承認を受けた職員が招集命令などに応じるため勤務しない時間は、職務専念義務の規定を適用しないと法律で定めます。

4. 給与

  • 現行:防衛省の概要資料では、訓練招集に応じた期間の本務の給与は減額されると説明されています。
  • 改正後:一般職の国家公務員の場合、訓練招集に応じた期間の本務の給与は維持されます。実際の招集命令に応じるため勤務しない場合は、勤務しない1時間ごとに給与を減額します。

地方公務員の給与の具体的な扱いについては、法案本文では一律の給与規定を置いていません。自治体の給与条例などとの関係は、今後の運用で確認が必要です。

👥 影響を受ける人・対象者

  • 一般職の国家公務員:省庁などで働く常勤職員が主な対象です。
  • 一般職の地方公務員:自治体職員などが対象になります。
  • 裁判所職員:国家公務員と同様の特例を準用します。
  • 自衛隊員の一部:自衛官や予備自衛官等を除く隊員にも、一定の規定を準用します。
  • 行政執行法人・特定地方独立行政法人の職員:法人の長などに読み替える規定を置きます。

非常勤職員や臨時的職員については、定義上の除外があります。

📅 施行日と経過措置

この法案は、2026年4月3日に内閣から衆議院へ提出されました。参議院では予備審査議案として受理されています。

施行日は、公布の日から1年以内で政令で定める日です。成立後すぐに日付が決まる形ではなく、政令で具体的な施行日を定めます。

また、定年引上げに伴う暫定再任用短時間勤務職員等について、対象となる「短時間勤務の官職を占める職員」に含める経過措置も置かれています。

📖 用語解説

  • 予備自衛官:普段は別の仕事を持ち、必要な時に招集命令を受けて自衛官となる人です。
  • 即応予備自衛官:現職自衛官とともに任務に就くことを想定した予備の人員です。
  • 予備自衛官補:自衛官未経験者などを採用し、教育訓練後に予備自衛官へ任用する制度です。
  • 職務専念義務:公務員が勤務時間中、職務に専念しなければならない義務です。
  • 兼業許可:公務員が本務以外の仕事や役割に報酬を伴って従事する場合などに必要となる許可です。

🔗 参考リンク


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