著作権法改正案
店舗などで音源を流した場合に、歌手・演奏家やレコード会社にも二次使用料が支払われる仕組みをつくる改正です。
公布済み
次: 公布・施行
一言で言うと
店などで流す音楽の使用料が、作詞作曲者だけでなく、歌手や音源会社にも届くようにして、音源を使う権利の扱いを見直す改正です。
この法案のポイント

何が変わる?
店舗などで音源を流した場合に、歌手・演奏家やレコード会社にも二次使用料が支払われる仕組みをつくる改正です。
実演家とレコード製作者に、商業用音源の再生・伝達に関する二次使用料請求権を新設します。使用料額は法律で直接決めず、文化庁長官が指定する団体が規程を作り、利用者代表との協議や裁定の仕組みを置きます。

なぜ今?
店舗BGMなどで商業用音源が使われても、録音に関わった歌手・演奏家や音源会社に対価が届きにくかったためです。
文化審議会報告書では、レコード演奏・伝達権は142か国・地域で導入され、OECD諸国では日本と米国を除く36か国で導入済みとされています。相互主義により、海外で日本の音源が使われても日本側に対価が入らない場合があることも課題です。

誰に関係する?
店内や施設内で音楽を流す飲食店、宿泊施設、小売店、娯楽施設、BGM配信事業者に関係します。
非営利で料金を受けない利用、家庭用受信装置による通常の伝達、著作権法上の権利制限に当たる利用などは対象外です。歌手・演奏家やレコード製作者は、指定団体を通じて二次使用料の分配を受ける仕組みになります。
詳しく読む
店で流す音楽にも、歌手・演奏家らへの使用料を設ける著作権法改正案
🎵 店舗BGM / 🎤 歌手・演奏家 / 💿 音源の二次使用料
この法案は、音楽CDや配信音源などを店舗等で流したとき、歌手・演奏家や音源を作った会社にも二次使用料が支払われる制度をつくるものです。使用料の額は法律で直接決めず、文化庁長官が指定する団体が利用者側と協議して規程を作ります。
💡 一言で言うと
店で流す音楽の使用料が、歌手や音源会社にも届く仕組みになります。
ここでいう「レコード」は、レコード盤だけでなく、音楽CDやインターネット配信音源などの商業用音源を指します。
現行制度では、店舗などで音楽を流す場合、作詞家・作曲家など著作権者への手続きはあります。一方、録音に参加した歌手・演奏家や、音源を作ったレコード製作者には、店舗BGMなどの利用について二次使用料を受ける権利がありません。
改正後は、こうした実演家・レコード製作者にも、二次使用料を受ける権利が新設されます。
🔑 何が変わるのか
核心は、「レコード演奏・伝達権」と呼ばれる仕組みを新たにつくる点です。
対象になるのは、たとえば次のような利用です。
- 音楽CDや配信音源を、店舗・施設などで客や来場者に聞かせる
- インターネット配信や放送で届いた商業用音源を、受信装置を使って公に伝える
改正後は、こうした利用について、実演家とレコード製作者に二次使用料を支払う制度になります。
ただし、非営利で、聴衆・観衆から料金を受けない利用などは対象外です。放送などを通常の家庭用受信装置で伝える場合や、著作権法上の権利制限規定で認められる場合も、支払いの対象から外れます。
🏛️ 背景(なぜ今この改正なのか)
著作権法では、作詞家・作曲家などの著作権者には、すでに「演奏権」や「公の伝達権」があります。
一方で、歌手・演奏家やレコード製作者にある二次使用料の権利は、これまで主に放送・有線放送で商業用レコードが使われる場合に限られていました。
文化審議会の報告書では、レコード演奏・伝達権は142か国・地域で導入され、OECD諸国では日本と米国を除く36か国で導入されているとされています。
また、日本でこの権利が整っていないため、相互主義により、海外で日本の音源が店舗などで使われても、日本側に対価が入らない場合があると整理されています。
📊 現行制度と改正後の違い
現行制度
- 作詞家・作曲家などには、店舗等での音楽利用に関する権利があります
- 実演家・レコード製作者には、放送・有線放送で使われる場合の二次使用料を受ける権利があります
- 店舗BGMなどで商業用音源を流す場合、実演家・レコード製作者への二次使用料の制度はありません
改正後
- 実演家向けに、商業用レコードの再生・伝達に関する二次使用料を受ける権利を新設します
- レコード製作者向けにも、同じく二次使用料を受ける権利を新設します
- 請求は、文化庁長官が指定する団体に集約されます
- 指定団体は、利用区分ごとの二次使用料額を定める規程を作り、公表します
- 利用者代表は、公示から1か月以内に協議を求めることができます
- 協議が6か月たってもまとまらない場合、文化庁長官の裁定を申請できます
- 指定団体は、届け出た規程の額を超えて請求できません
👥 影響を受ける人・対象者
主に関係するのは、店内や施設内で音楽を流す事業者です。飲食店、宿泊施設、小売店、娯楽施設など、商業用音源を公に聞かせる場面が想定されます。
業務用BGM配信サービス事業者や、業界団体も、包括契約や徴収方法の調整に関わる可能性があります。
歌手・演奏家、レコード製作者にとっては、店舗等で使われた音源について、指定団体を通じて二次使用料の分配を受ける仕組みができます。
📅 施行日と経過措置
施行日は、公布の日から3年以内に政令で定める日です。
法律が公布された後、施行までの間に、指定団体の指定や二次使用料規程づくりなどの準備を進められるよう、経過措置も置かれます。
🗣️ 制度設計で残る論点
法案は、二次使用料の具体額までは定めていません。金額や徴収方法は、施行までに指定団体が規程として作ることになります。
文化審議会報告書では、次の点が課題として挙げられています。
- 小規模事業者への負担
- 電子決済や包括契約を使った簡便な支払い方法
- 分配の透明性
- 実際に流れた楽曲データをどう把握するか
- 商業利用できない音楽配信サービスの利用との関係
- 音源を再生するための準備的なコピーの扱い
制度は、法律の成立だけで完結するものではなく、施行までの規程づくりと周知が大きな部分を占めます。
🔭 国会での審議状況
この法案は、2026年(令和8年)5月15日に第221回国会へ内閣提出法案として提出されました。主管は文部科学省です。
参議院の議案情報では、衆議院文部科学委員会に2026年5月28日に付託され、同年6月3日に可決とされています。
🔗 参考リンク
- 文部科学省:著作権法の一部を改正する法律案
- 著作権法の一部を改正する法律案(概要)
- 著作権法の一部を改正する法律案(要綱)
- 著作権法の一部を改正する法律案(案文・理由)
- 著作権法の一部を改正する法律案(新旧対照表)
- 参議院:著作権法の一部を改正する法律案
- 文化審議会著作権分科会報告書
- 文化庁:著作隣接権
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