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皇室典範改正案

皇族数の減少に対応するため、女性皇族が結婚後も皇族に残る制度と、旧11宮家の流れをくむ男系男子を念頭に皇族が養子を迎える制度を設ける改正です。

第221回国会閣法第64号提出者: 内閣提出: 2026/6/29
審議中

参議院 皇室典範等の一部を改正する法律案特別委員会で審議中

次: 参議院 委員会

先委先本後委後本成立

一言で言うと

皇族数を確保するため、皇位継承の今の仕組みは保ちながら、女性皇族が結婚後も皇族に残り、旧皇族の男系男子を養子に迎えられるようにする改正です。

この法案のポイント

制度変更を表すイラスト

何が変わる?

女性皇族が結婚後も皇族に残る制度と、皇族の養子制度を新設します。

内親王・女王は、天皇や皇族以外の男性と結婚しても原則として皇族に残ります。あわせて、旧11宮家の流れをくむ男系男子を念頭に、皇室会議の議を経て養子を迎えられるようにします。

背景やタイミングを表すイラスト

なぜ今?

皇族数の減少に備えるためです。

悠仁親王殿下以外の未婚の皇族5方は全員女性で、現行制度では結婚すると皇族を離れます。政府の有識者会議は、皇位継承とは切り離して皇族数の確保を急ぐ考え方を示していました。

関係する人や地域を表すイラスト

誰に関係する?

女性皇族、養子となる男性、皇室関係の手続に関係します。

女性皇族の夫や子は皇族にならず、養子本人にも皇位継承資格は認めません。皇族費の水準や、結婚後の住民票の扱いもあわせて整えます。

詳しく読む

皇族数の減少に備え、女性皇族の結婚後の身分保持と養子制度を導入

👑 皇室制度 / 💍 結婚後の身分 / 👨‍👦 皇族の養子

女性皇族が結婚後も皇族として活動を続けられるようにし、旧11宮家の男系男子を念頭に、皇族が養子を迎える制度を新設する法案です。皇位継承の現在の仕組みは維持しながら、皇族数を確保することが目的です。

内閣官房「皇室典範等の一部を改正する法律案 骨子」

💡 一言で言うと

女性皇族が結婚後も皇族に残り、旧皇族の男系男子を養子に迎えられるようにします。

現行制度では、内親王・女王は、天皇や皇族以外の男性と結婚すると皇族の身分を離れます。改正後は結婚後も身分を保つことが原則となり、皇族としての公的活動を続けられます。

もう一つの柱は、これまで禁止されていた皇族の養子です。一定の皇族が、1947年に皇籍を離れた旧11宮家の流れをくむ男系男子を念頭に、厳しい条件の下で養子に迎えられるようにします。

🔑 何が変わるのか

1.女性皇族が結婚後も皇族に残ります

内親王・女王が天皇や皇族以外の男性と結婚しても、皇族の身分を離れない仕組みに改めます。

結婚には、皇族や衆参両院の正副議長、内閣総理大臣、最高裁判所長官らで構成する皇室会議の議決が必要です。現行制度では主に皇族男子の結婚が対象ですが、改正後は女性皇族の結婚にも対象を広げます。

夫と子に皇族の身分を与える規定は設けられていません。女性皇族本人だけが皇族に残り、夫と子は一般国民として戸籍を持つ制度設計です。子にも、この結婚を理由とする皇位継承資格は生じません。

2.現在の女性皇族には選択肢を残します

法律の施行時点ですでに内親王・女王である方には経過措置があります。

結婚後も皇族に残ることを原則としつつ、本人が希望すれば、結婚と同時に皇族の身分を離れられます。この場合は皇室会議の議決も必要ありません。

現行制度の下で人生を歩んできたことを踏まえ、現在の女性皇族の意思を尊重する仕組みです。

3.旧皇族の男系男子を養子に迎えられます

現行の皇室典範は、天皇と皇族による養子を一律に禁止しています。法案は例外を設け、次の皇族が養親になれるようにします。

  • 親王
  • 親王妃
  • 内親王
  • 王妃
  • 女王

皇嗣と皇嗣妃は対象外です。養子縁組には皇室会議の議決が必要です。

養子になれる男性にも、次の条件があります。

  • 現行の皇室典範による皇族男子だった人の男系子孫である
  • 父方を男性だけでさかのぼる系統に属する
  • 15歳以上である
  • 配偶者と子がいない
  • 現在は皇族ではない

法文には「旧11宮家」という名称はありませんが、衆参両院の正副議長による取りまとめでは、1947年10月に皇籍を離れた旧11宮家の男系男子の子孫を対象に制度設計するとしています。

具体的な候補者の氏名や人数は、公表資料からは確認できません。

4.養子本人に皇位継承資格はありません

養子縁組が成立した男性は、その時点から皇族となります。ただし、養子本人には皇位継承資格を認めません。

一方、その後に生まれた子孫の皇族としての地位や皇位継承資格は、養子本人の実父側の系統を基準に判断します。現行の男系男子による継承条件を満たす男子には、皇位継承資格が生じ得る仕組みです。

養子となった男性の摂政就任順位は、内親王・女王の後とします。

5.女性皇族の皇族費を男性皇族と同水準にします

独立して生計を営む内親王・女王に支給される皇族費を、同じ立場の親王・王と同額に引き上げます。

令和8年度の皇族費の基礎額で換算すると、年額は次のように変わります。

  • 独立して生計を営む内親王:1,525万円から3,050万円
  • 独立して生計を営む女王:1,067万5,000円から2,135万円

結婚後も皇族の立場と活動が続くことに合わせた変更です。

6.結婚後の女性皇族を住民票の対象にします

天皇や皇族以外の男性と結婚した内親王・女王は、皇族の身分を保ちながら、住民基本台帳の対象になります。離婚や死別をした場合も対象です。

これにより住民票へ記録されます。電子証明書などの具体的な扱いについては、政令で特例を定められるようにします。

一方、憲法改正の国民投票については、引き続き投票人名簿の登録対象から除外します。

🏛️ 背景――なぜ今この改正なのか

皇室は、天皇皇后両陛下、上皇上皇后両陛下と皇族方で構成されています。天皇陛下と上皇陛下を除く皇族は14方です。

現在、悠仁親王殿下以外の未婚の皇族5方は、全員が女性皇族です。現行制度のまま結婚による皇籍離脱が続けば、次世代の皇族数がさらに減る可能性があります。

皇族は、国事行為の臨時代行、摂政、皇室会議の議員のほか、式典への出席、外国訪問、慰霊などを担っています。政府の有識者会議は2021年、皇位継承の議論と切り離し、皇族数の確保を急ぐ必要があると報告しました。

検討の出発点は、2017年の天皇退位特例法に付された国会の決議です。政府に対し、安定的な皇位継承や女性宮家の創設などを検討し、国会へ報告するよう求めました。

政府報告を受けた国会では、2024年から各党・各会派による協議が本格化しました。2026年6月10日、衆参両院の正副議長は、女性皇族の結婚後の身分保持と、旧11宮家の男系男子を養子に迎える制度を法制化するとの取りまとめを政府に渡しました。

政府は6月30日に法案を国会へ提出しました。

📊 現行制度と改正後の違い

女性皇族の結婚

  • 現行:天皇や皇族以外の男性と結婚すると皇族の身分を離れる
  • 改正後:結婚後も皇族の身分を保つ
  • 現在の内親王・女王:本人の意思で結婚時に皇族を離れることも可能

結婚相手と子

  • 現行:女性皇族本人が皇族を離れ、夫婦と子は一般国民となる
  • 改正後:女性皇族本人だけが皇族に残り、夫と子は皇族にならない
  • 子の皇位継承資格:付与されない

皇族の養子

  • 現行:天皇と皇族は養子を迎えられない
  • 改正後:一定の皇族は、皇室会議の議決を経て養子を迎えられる
  • 養子の年齢:15歳以上
  • 婚姻状況:配偶者と子がいない男性に限定
  • 養子本人の皇位継承資格:なし

皇族費

  • 内親王:男性皇族の2分の1から同額へ
  • 女王:王の2分の1から同額へ
  • 令和8年度基準額による内親王の年額:1,525万円から3,050万円へ

住民登録

  • 現行:皇族は住民基本台帳の適用外
  • 改正後:一般男性と結婚した内親王・女王は住民基本台帳の対象

👥 社会との関係

法案が直接対象とするのは皇族と、養子の条件に該当する男性です。ただし、制度変更は皇族の公的活動、皇室関係予算、将来の皇位継承資格者の範囲にも関係します。

女性皇族が結婚後も皇族に残れば、それまで担当してきた式典や団体活動などを継続できる制度になります。その一方、夫婦や親子の中で皇族と一般国民が同居する家族が生まれることになります。

養子制度は、成立しただけで皇族が増える仕組みではありません。養親と養子本人の意思に加え、皇室会議の議決が必要です。対象となり得る男性の有無や意思について、政府資料では明らかにされていません。

👑 皇位継承の仕組みはどうなるのか

皇位継承資格については、皇統に属する男系男子が継承する現在の仕組みを維持します。

結婚後も皇族に残る女性皇族に、新たな皇位継承資格は加わりません。女性皇族と一般男性との間に生まれた子にも資格は生じません。

養子となった男性本人にも資格を認めません。一方、養子後に生まれた男系男子の子孫には、現行の条件に従って資格が生じる可能性があります。

衆参両院の正副議長による取りまとめは、悠仁親王殿下より後の安定的な皇位継承について、今回の皇族数確保策の施行状況を踏まえ、引き続き検討するよう求めています。

📅 施行日と見直し

主な改正は、公布の日から3か月後に施行します。

施行後は制度の運用状況を検討し、必要がある場合には追加措置を講じます。皇族数の確保状況などを踏まえ、必要と認める場合は30年ごとに見直す規定も設けます。

🔭 国会での審議状況

法案は2026年6月30日に内閣から衆議院へ提出されました。衆議院が先に審議する法案で、7月9日に議院運営委員会へ付託されています。

委員会と本会議での採決、参議院での審議は今後行われます。

🔗 参考リンク


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