安全・司法

防諜施策推進法案

外国による秘密情報取得や偽情報工作を防ぐ政策を法律に位置づけ、防諜基本方針や届出制度を整える法案です。

第221回国会参法第5号提出者: 参議院議員提出: 2026/4/1
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先委先本後委後本成立

一言で言うと

外国からの情報工作や選挙への介入に備え、政府が防諜対策をまとめて進め、国の意思決定や選挙を守るための法案です。

この法案のポイント

制度変更を表すイラスト

何が変わる?

外国による秘密情報の取得や偽情報工作を防ぐ「防諜」を、国の政策として法律に位置づける法案です。

政府に防諜基本方針の策定と毎年の国会報告を求め、外国から指示・依頼を受けて選挙や政策決定に影響し得る活動を行う人の届出・定期報告制度を整える方向です。内閣情報調査局の設置や監察機関の検討も盛り込まれています。

背景やタイミングを表すイラスト

なぜ今?

国際情勢の複雑化と情報通信技術の進展で、秘密情報の取得や偽情報による影響工作を課題として扱うためです。

法案は防諜の対象に、有害な情報取得だけでなく、選挙・国民投票・政策決定への不当な影響も含めています。届出制度や罰則整備は、施行後2年以内の措置・検討として書かれています。

関係する人や地域を表すイラスト

誰に関係する?

政府、地方公共団体、事業者、外国から指示等を受けて活動する人に関係します。

地方公共団体には防諜のための措置と国への協力、事業者には管理情報への配慮と協力の努力義務が置かれます。具体的な届出対象や報告頻度は今後の法整備に委ねられています。

詳しく読む

スパイ活動と選挙介入への対抗を法律に 政府に防諜方針と新組織を求める

🕵️ スパイ対策 / 🗳️ 選挙への影響工作 / 🏛️ 情報機関

外国による秘密情報の取得や、偽情報を使った選挙・政策決定への影響を「防ぐ対象」として法律に位置づける法案です。政府に対し、防諜基本方針の策定、届出制度づくり、情報組織の整備などを求めます。詳しくは提出法律案PDF

💡 一言で言うと

外国の情報取得や選挙介入に備え、政府の対策づくりを進めます。

「防諜」は、一般にはスパイ対策に近い言葉です。この法案では、防諜を「外国による有害な情報取得や、偽情報などによる選挙・政策決定への不当な影響を防ぐこと」と定義します。

成立した場合、政府は防諜基本方針をつくり、毎年国会に報告します。さらに、外国から指示や依頼を受けて選挙・政策決定に影響する活動を行う人に、届出や定期報告を求める制度づくりを進めます。

🔑 何が変わるのか

核心は、防諜を国の政策として法律に書き込み、政府に具体的な制度整備を求める点です。

主な内容は次の通りです。

  • 「防諜」の対象を定義する
  • 政府に「防諜基本方針」の策定を義務づける
  • 政府が毎年、国会に防諜施策を報告する
  • 外国から指示等を受けた活動について、届出・定期報告制度をつくる
  • 届出や報告をしない場合の処罰制度を整える
  • 内閣官房に「内閣情報調査局」を置く方向で法整備を進める
  • 防諜施策を監察する新たな機関の設置などを検討する

法案はあわせて、基本的人権を不当に侵害しないこと、報道・取材の自由に十分配慮することも基本理念に入れています。

🏛️ 背景(なぜ今この法案なのか)

法案の理由では、国際情勢の複雑化と、情報通信技術の進展が挙げられています。

政府もすでに、外国による偽情報の拡散を含む影響工作への対処を進めています。内閣官房には内閣情報調査室があり、内閣情報官をセンター長とするカウンターインテリジェンス・センターも置かれています。

この法案は、そうした取組を前提に、防諜を一つの政策分野として法律上整理し、政府の方針、国会報告、組織整備、届出制度づくりまでつなげる内容です。

📊 現行制度と改正後の違い

1. 政府の方針

現在は、内閣官房の内閣情報調査室などが情報収集・分析を担っています。

法案成立後は、政府が「防諜基本方針」を閣議決定します。方針には、防諜の意義、基本的な施策、配慮事項、国民の理解を深める取組などを盛り込みます。方針は公表されますが、防諜施策に支障がある場合は一部を公表しないことができます。

また、政府はおおむね3年ごとに方針を見直します。

2. 国会への報告

法案成立後、政府は毎年、国会に防諜施策の実施状況を報告します。

これにより、防諜に関する政府の取組が、年次報告という形で国会に示される仕組みになります。

3. 外国から指示等を受けた活動

法案は、外国から指示や依頼などを受けた人が、選挙、国民投票、政策決定に影響を及ぼすおそれのある活動を行う場合について、国への届出と定期報告を求める制度をつくるとしています。

政府は、この制度創設に必要な法制上の措置などを、法律施行後2年以内に講じることになります。

届出をしないで活動した人、報告をしなかった人を処罰する制度も、この中に含まれます。

4. 罰則の検討

外国から指示等を受け、虚偽情報の発信などで選挙や政策決定に不当な影響を及ぼす行為について、政府は施行後2年以内をめどに罰則整備を検討します。

法案には、実行に着手する前の行為を処罰するための罰則も含めて検討すると書かれています。

5. 情報組織

法案は、別の法律で内閣官房に「内閣情報調査局」を置くとしています。

内閣情報調査局は、防諜に関する情報の集約、整理、分析、関係機関への提供などを担う設計です。局長として「内閣情報調査局長」を置くことも書かれています。

👥 影響を受ける人・組織

国・行政機関

政府は、防諜基本方針をつくり、施策を進め、毎年国会に報告します。関係行政機関には連携が求められます。

地方公共団体

地方公共団体は、自らの事務・事業について防諜のための措置を講じ、国の施策に協力する責務を負います。

事業者

事業者には、自社が管理する情報について防諜の重要性を自覚し、国の施策に協力する努力義務が置かれます。

外国から指示等を受けて活動する人

選挙、国民投票、政策決定に影響を及ぼすおそれのある活動を行う場合、将来の制度で届出や定期報告の対象になります。

📅 施行日と今後の期限

法案の施行日は、公布の日です。

法案に書かれた主な期限は次の通りです。

  • 防諜基本方針:政府が策定し、閣議決定後に公表
  • 防諜基本方針の見直し:おおむね3年ごと
  • 届出・定期報告制度:施行後2年以内に必要な措置
  • 罰則整備の検討:施行後2年以内をめど
  • 内閣情報調査局の設置に向けた措置:可能な限り早い時期
  • 国外情報の収集・分析を担う新たな行政組織の検討:施行後速やか

🧩 まだ決まっていない点

この法案は、政府に制度づくりを求める枠組み型の法律案です。

そのため、届出制度の具体的な対象、届出事項、報告の頻度、罰則の重さ、内閣情報調査局の詳細な組織設計、監察機関の形は、今後の法整備や検討に委ねられています。

📤 提出者・所属

  • 法案種別:参議院議員提出法律案(参法)
  • 提出回次:第221回国会
  • 法案番号:参法第5号
  • 提出日:令和8年4月2日(2026年4月2日)
  • 先議区分:参議院先議
  • 発議者:神谷宗幣参議院議員 外4名
  • 神谷宗幣議員の所属:参政党(参議院の会派略称は「参政」)

参議院の議案情報ページ、提出法律案PDF、要綱PDFでは、「外4名」の氏名と賛成者の氏名は確認できません。

🔗 参考リンク


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