特定秘密・経済安保情報保護法改正案
秘密情報を扱う人の確認項目に国籍や外国渡航歴を明記し、外国政府への漏えい等の罰則も設ける改正です。
審議待ち
次: 参議院 委員会
一言で言うと
秘密情報を外国側へ漏らす行為を、通常の漏えいとは別に重く扱う犯罪として位置づけ、安全保障上の情報流出を防ぐ改正です。
この法案のポイント

何が変わる?
特定秘密や重要経済安保情報について、外国側への漏えいと秘密文書の破壊に新たな罰則を置く改正です。
適性評価の調査項目には、本人の国籍、過去の国籍、外国渡航・居住歴などを明記します。漏えい先として外国政府等や情報収集義務者を想定し、特定秘密と重要経済安保情報で罰則を整理します。

なぜ今?
既存の秘密保護制度に、外国との関係や文書・データの毀棄への対応を追加するためです。
特定秘密保護法は安全保障上の秘密、重要経済安保情報保護活用法は経済安全保障上の重要情報を扱う制度です。法案は施行後2年を目途に、適性評価の実施機関や通信傍受、公益通報との関係も検討対象にしています。

誰に関係する?
秘密情報を扱う行政職員、契約事業者の従業者、重要経済安保情報の提供を受ける関係者に関係します。
適性評価で扱われる個人情報が増え、秘密情報を記録した文書・データの管理にも刑事責任がかかります。国会で秘密情報を扱う手続に関わる者も対象に含まれます。
詳しく読む
秘密情報の外国漏えいに新罰則 特定秘密・経済安保情報の改正案
🛡️ 秘密情報 / 🌐 外国への漏えい / 🧾 適性評価 / ⚖️ 罰則
特定秘密や重要経済安保情報を扱う人の確認項目に、本人の国籍や外国への渡航・居住歴などを明記します。あわせて、外国政府などへの漏えいや、秘密を記録した文書等を壊す行為に新しい罰則を置く法案です。
一次資料:法案要綱(参議院法制局)
💡 一言で言うと
秘密情報を外国側に漏らす行為を、通常の漏えいとは別に処罰します。
対象は、特定秘密と重要経済安保情報です。特定秘密は防衛や外交など安全保障上の秘密、重要経済安保情報は経済安全保障上、特に守る必要がある情報を指します。
改正案は、これらを外国政府、外国の軍、外国の政党などに漏らす行為を別枠で処罰します。さらに、秘密を記録した文書やデータなどを壊す行為にも罰則を設けます。
🔑 何が変わるのか
主な変更点は4つです。
- 適性評価の調査項目に、本人の国籍や外国渡航・居住歴などを明記
- 外国政府等への漏えいについて、対象者ごとの罰則を新設・整理
- 秘密文書やデータ等を壊す行為を処罰
- 施行後2年を目途に、適性評価の実施機関や通信傍受、公益通報との関係を検討
「適性評価」とは、秘密情報を扱う人について、情報を漏らすおそれがないかを本人の同意を得て確認する制度です。
🏛️ 背景(なぜ今この改正なのか)
特定秘密保護法は、国の安全保障に関する秘匿性の高い情報を守るための法律です。重要経済安保情報保護活用法は、経済安全保障に関わる重要情報を官民で扱うための制度として設けられました。
この法案の提出理由では、適性評価の調査項目を広げること、外国政府等への漏えいや秘密文書等の毀棄に対する罰則を整備することが挙げられています。
つまり、新しい秘密情報制度を作るというより、既存の2つの制度について、外国側への漏えいや文書破壊への対応を追加する改正案です。
📊 現行制度と改正後の違い
1. 適性評価の調査項目
現行制度でも、秘密情報を扱う人には適性評価があります。
改正後は、調査事項として次の項目が法律上明記されます。
- 評価対象者本人の国籍
- 過去に有していた国籍
- 外国への渡航歴
- 外国での居住歴
- その他、外国との関連性に係る事情
2. 特定秘密を外国側に漏らした場合
改正後は、外国政府等または情報収集義務者に漏らした場合の罰則が設けられます。
「情報収集義務者」とは、外国政府等との契約や外国の法律により、外国政府等の情報収集活動に協力する義務を負う個人・法人などを指します。
主な罰則は次のとおりです。
- 特定秘密を扱う業務に従事する人が漏らした場合
1年以上の有期拘禁刑、または情状により2000万円以下の罰金を併科
- 提供された特定秘密を、目的業務で知った人が漏らした場合
7年以下の拘禁刑、または情状により700万円以下の罰金を併科
- 不正に取得した特定秘密を外国側に漏らした場合
1年以上の有期拘禁刑、または情状により2000万円以下の罰金を併科
- 上記以外の者が、一定の目的や認識をもって外国側に漏らした場合
5年以下の拘禁刑、または情状により500万円以下の罰金を併科
3. 重要経済安保情報を外国側に漏らした場合
重要経済安保情報についても、外国政府等への漏えいに罰則を置きます。
主な罰則は次のとおりです。
- 取扱業務者が漏らした場合
7年以下の拘禁刑、700万円以下の罰金、またはその両方
- 提示・提供された情報を目的業務で知った人が漏らした場合
5年以下の拘禁刑、500万円以下の罰金、またはその両方
- 不正に取得した情報を外国側に漏らした場合
7年以下の拘禁刑、700万円以下の罰金、またはその両方
- 上記以外の者が、一定の目的や認識をもって外国側に漏らした場合
3年以下の拘禁刑、300万円以下の罰金、またはその両方
4. 秘密文書やデータ等を壊した場合
改正案は、秘密情報を記録した文書やデータ等を壊す行為にも罰則を置きます。
- 特定秘密文書等を毀棄した場合
10年以下の拘禁刑、または情状により1000万円以下の罰金を併科
- 重要経済安保情報文書等を毀棄した場合
5年以下の拘禁刑、500万円以下の罰金、またはその両方
👥 影響を受ける人・対象者
直接関係するのは、特定秘密や重要経済安保情報を扱う立場の人です。
- 行政機関の職員
- 秘密情報を扱う事業者の従業者
- 国から重要経済安保情報の提示・提供を受ける関係者
- 国会で秘密情報を扱う手続に関わる者
一般の人にとっては、秘密情報の管理、適性評価で扱われる個人情報、内部通報と刑事責任の線引きに関係する法案です。
📅 施行日と経過措置
施行は、成立して公布されることが前提です。
- 原則:公布の日から20日を経過した日
- 適性評価の調査項目の改正:公布の日から3か月以内で政令が定める日
- 公益通報者保護に関する検討規定:公益通報者保護法の一部改正法の施行日
適性評価の新しい調査事項は、施行日以後に同意を得て実施する適性評価から適用されます。
🔭 今後の検討事項
改正案は、施行後2年を目途に政府が検討する事項も置いています。
- 適性評価を独立した公正な立場の機関が実施すること
- 適性評価を受ける必要がないとされている者について、任命時に適性評価の結果を踏まえる仕組み
- 適性評価で、対象者が所属・過去に所属した法人や団体を調査すること
- 秘密漏えい等の捜査で、通信傍受の対象にすること
- 公益通報に際してやむを得ず秘密情報を漏らした人の刑事責任の扱い
📤 提出者・所属
- 法案種別:参法(参議院議員提出)
- 提出番号:参法第6号
- 提出日:2026年4月2日
- 発議者:神谷宗幣 参議院議員 外4名
- 所属政党・会派:参政党
参議院、衆議院、参議院法制局の公表資料では、発議者は「神谷宗幣君 外4名」と表示されています。外4名の個別氏名、発議者とは別の賛成者名は、公表資料からは確認できませんでした。
🗣️ 国会での審議状況
この法案は参議院先議です。
参議院の議案情報では、委員会付託や本会議議決は記載されていません。衆議院側では、2026年4月6日に予備審査議案として受理されています。
🔗 参考リンク
- 参議院 議案情報:特定秘密保護法及び重要経済安保情報保護活用法改正案
- 提出法律案PDF(参議院)
- 法案要綱(参議院法制局)
- 新旧対照表(参議院法制局)
- 衆議院 議案審議経過情報
- 内閣官房:特定秘密保護法関連
- 内閣府:重要経済安保情報保護活用法
- 参議院 会派別所属議員名一覧
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