障害者家族支援推進法案
18歳以降や卒業後の障害者について、居場所、学び、就労、移動、相談を切れ目なく支援する枠組みをつくる法案です。
審議待ち
次: 衆議院 委員会
一言で言うと
障害のある人が18歳や卒業を迎えた後も、福祉、教育、就労の支援が切れにくいようにし、家族も含めた支援をつなぐ法案です。
この法案のポイント

何が変わる?
18歳以降や卒業後の障害者について、居場所、学び、就労、移動、相談を切れ目なく支援する枠組みをつくる法案です。
既存の障害福祉サービスや学校制度を個別に改正するのではなく、国と自治体が横断的に進める基本法型の新法です。実態調査、居場所の充実、特別支援学校高等部の専攻科、職業訓練、移動支援などを柱にします。

なぜ今?
18歳になった後や学校を卒業した後に、福祉・教育・就労支援が途切れやすいことが課題だからです。
文部科学省資料では、2024年3月の特別支援学校高等部本科卒業者2万641人のうち、社会福祉施設等への入所・通所が62.1%、就職者等が29.5%、進学者が1.8%です。卒業後の地域生活、学び、仕事への移行支援が焦点です。

誰に関係する?
18歳以降や卒業後の障害者とその家族、自治体、学校、福祉・就労・医療の支援機関に関係します。
国は福祉サービス利用状況、需要、家族の就業、世帯所得などを障害の種類・程度・年齢ごとに調査・公表します。具体的な手当額、利用時間、予算額は法案本文には置かれず、成立後の施策や予算に委ねられます。
詳しく読む
18歳・卒業後の障害者支援を切れ目なくつなぐ新法案
♿ 障害者支援 / 🎓 卒業後の学び / 🧭 福祉と教育の連携
18歳になった後や高校などを卒業した後の障害者について、居場所、学び、就労、移動、相談をつなぐための新しい法律案です。国と自治体に、本人と家族への支援を総合的に進める責務を置きます。一次資料:提出法律案PDF
💡 一言で言うと
18歳や卒業のあとも、居場所・学び・仕事の支援をつなぐ法案です。
この法案は、既存の障害福祉サービスや学校教育の制度を一つずつ改正するものではなく、国と自治体が取り組むべき基本方針を新しい法律として定める内容です。
中心にあるのは、18歳に達した後、または高等学校・特別支援学校高等部などを卒業した後の支援です。家族が仕事などで家にいない時間の居場所、卒業後の学び、就労、移動、相談を、福祉・教育・労働・医療などでつなぐことを狙います。
🔑 何が変わるのか
核心は、障害者本人と家族への支援について、国と自治体が「切れ目なく」進める枠組みを法律に置く点です。
主な柱は次のとおりです。
- 国が、障害の種類・程度・年齢ごとに、本人と家族の実態を細かく調べて公表する
- 18歳または卒業後の障害者について、家族が不在の時間や休息の時間に利用できる居場所の充実を図る
- 特別支援学校高等部の専攻科の設置促進など、卒業後の学習機会を広げる
- 職業訓練、就労機会、職場定着の支援を進める
- 個別の教育支援計画、教員研修、支援人材の配置など、学校段階の支援を強める
- 通勤・通学・通所の移動支援、情報提供、相談、関係機関の連携を進める
一方で、法案本文に、手当額、利用者負担額、サービスの上限時間、予算額を定める数字は見当たりません。具体的な制度設計は、成立後の施策や予算措置に委ねられる部分があります。
👥 影響を受ける人・対象者
対象となる「障害者」は、障害者基本法の定義を使います。身体障害、知的障害、精神障害、発達障害などにより、日常生活や社会生活に相当な制限を受ける人を広く指します。
特に関係が深いのは、次のような人や機関です。
- 18歳に達した障害者
- 高等学校、中等教育学校後期課程、特別支援学校高等部などを卒業した障害者
- その家族
- 自治体の福祉・教育・労働・保健部門
- 特別支援学校や通常の学校
- 障害福祉サービス事業者
- 就労支援機関、医療機関、療育機関、民間団体
🏛️ 背景(なぜ今この改正なのか)
法案の提出理由では、18歳や卒業後の障害者について、家族が養護できない時間の居場所、多様な学習・就労の機会、家族の負担軽減が課題になっていると説明されています。
文部科学省の「特別支援教育資料」によると、2024年3月に特別支援学校高等部本科を卒業した人は2万641人でした。進路は、社会福祉施設等への入所・通所が1万2,809人で62.1%、就職者等が6,090人で29.5%、進学者が375人で1.8%、教育訓練機関等への入学者が264人で1.3%です。
卒業後すぐに福祉サービスや就労に進む人が多いことから、学校から地域生活・仕事・学びへの移行をどう支えるかが制度上の焦点になります。
📊 現行制度と成立後の違い
1. 法律の位置づけ
現行では、障害者基本法、障害者総合支援法、学校教育、雇用支援など、分野ごとに制度があります。
成立後は、これらを横断して、障害者本人と家族への福祉・教育などの支援を総合的に進める新法が加わります。法案は全16条と附則で構成されています。
2. 実態調査
成立後、国は次のような項目を調査し、公表することになります。
- 福祉サービスの利用状況
- 福祉サービスへの需要
- 家族の就業状況
- 世帯の所得状況
- 障害の種類・程度・年齢ごとの状況
調査結果に基づき、国と自治体は福祉サービス、教育などの制度見直しや必要な措置を進めるとされています。
3. 居場所の支援
18歳または卒業後の障害者について、施設で行う日常生活支援や就労支援などのサービスで、利用できる時間帯の拡充を含め、家族が仕事などで家庭にいない間の居場所を充実させる内容です。
また、家族が休息し、心身の健康を保つための時間にも、障害者本人の居場所を確保しやすい環境を整えるとされています。
4. 学びと就労
学びでは、特別支援学校高等部の専攻科の設置促進や、専攻科で学ぶ際の経済的負担の軽減が掲げられています。
就労では、職業訓練、就労機会の確保、働き続けるための支援が盛り込まれています。
5. 学校・移動・相談の支援
学校教育では、個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成・活用、教育課程や在学期間の弾力的な扱い、消費者教育などの生活に関わる教育が挙げられています。
移動では、通勤、通学、通所などの移動支援体制と人材確保を進める内容です。
相談では、本人と家族が状況に応じた支援を受けられるよう、情報提供、相談、助言を行うとされています。
📅 施行日と経過措置
附則では、公布の日から施行するとされています。成立して公布されれば、その日から法律が動き始めます。
附則は施行日の規定のみで、経過措置の規定は置かれていません。
📤 提出者・所属
この法案は、第221回国会の衆法第6号として、2026年3月27日に衆議院へ提出されました。衆議院議員提出の法律案です。
提出者は、森ようすけ議員、日野紗里亜議員、西岡義高議員です。衆議院の議案情報では、議案提出会派は「国民民主党・無所属クラブ」とされています。
賛成者は、浅野哲議員、飯泉嘉門議員、井戸まさえ議員、臼木秀剛議員、岡野純子議員、小竹凱議員、河井昭成議員、許斐亮太郎議員、近藤雅彦議員、佐々木真琴議員、鈴木義弘議員、高沢一基議員、田中健議員、玉木雄一郎議員、丹野みどり議員、長友慎治議員、鍋島勢理議員、西岡秀子議員、野村美穂議員、橋本幹彦議員、深作ヘスス議員、福田徹議員、古川元久議員、向山好一議員、村岡敏英議員です。
🔭 今後の見通し
衆議院の議案一覧では、この法案は「衆議院で審議中」と表示されています。この表示は、議案がどちらの院にあるかを示すもので、実際に委員会や本会議で議題になっていることを常に意味するものではありません。
成立には、衆議院と参議院での審議・議決が必要です。成立した場合は、公布日から施行されます。
🔗 参考リンク
- 参議院 議案情報:障害者及びその家族に対する福祉、教育等に係る支援に関する施策の総合的な推進に関する法律案
- 提出法律案PDF(参議院掲載)
- 衆議院 議案審議経過情報
- 衆議院 第221回国会 議案一覧
- 文部科学省 特別支援教育資料(令和6年度)
- 文部科学省 特別支援教育資料 第1部データ編PDF
- 厚生労働省 障害福祉サービス等
- 内閣府 障害者基本計画(第5次)
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