農業・食料

食育基本法改正案

食育の対象を大学生や働く人、職場にも広げ、食料を支える仕組みへの理解も進める改正です。

第221回国会衆法第8号提出者: 衆議院議員提出: 2026/4/21
成立

公布済み

次: 公布・施行

先委先本後委後本成立

一言で言うと

食育を子どもの学びだけでなく、大人が食品表示や栄養を見て選ぶ力にも広げ、日々の食生活を考えやすくする改正です。

この法案のポイント

制度変更を表すイラスト

何が変わる?

食育の対象を大学生や働く人、職場にも広げ、食料を支える仕組みへの理解も進める改正です。

食育の目的に食料安全保障の確保へ役立つことを加え、学校での農林漁業教育や職場での食育を明記します。食育推進基本計画は、目標達成状況を少なくとも年1回公表し、おおむね5年ごとに見直します。

背景やタイミングを表すイラスト

なぜ今?

食育を子どもの栄養や食習慣だけでなく、社会全体で食を支える力へ広げる狙いがあります。

法案は、働き方や世帯構成の変化、生産者と消費者の関係の薄まり、食品ロス、食料の安定確保を課題として書き込みます。2024年改正の食料・農業・農村基本法で整理された食料安全保障の考え方も反映しています。

関係する人や地域を表すイラスト

誰に関係する?

児童生徒、大学生、働く人、学校、大学、職場、自治体、農林漁業者に関係します。

栄養教諭だけでなく、農林漁業者や食品関連事業者など外部人材との連携も想定されます。事業者による従業員向けの食育活動や、地産地消、農林漁業体験、食品ロス削減の取組も施策の対象になります。

詳しく読む

食育を大人と職場にも広げ、食料の安定につなげる

🍚 食育 / 🏫 学校・職場 / 🌾 農業体験 / 🛒 食料安全保障

食育基本法を改正し、食育の対象を学校や家庭だけでなく、大学生、働く人、職場にも広げる法案です。

食料安全保障(食料が安定して手に入る状態)や、農林漁業への理解も、食育の柱として書き込みます。

💡 一言で言うと

食育を、子どもの学びから大人の食の選び方まで広げます。

現行法でも食育は幅広い世代に関わる考え方ですが、条文では家庭、学校、保育所、地域が主な場面として書かれてきました。

今回の改正案では、職場成年に達した人を明記します。大学生への啓発、会社が従業員の健康に配慮して行う食育活動、農林漁業体験などが、国や自治体の施策として位置づけられます。

🔑 何が変わるのか

この法案の核心は、食育を「栄養や食習慣の話」だけでなく、食料をどう支え、どう選ぶかまで広げる点です。

主な改正点は次の通りです。

  • 食育の目的に、食料安全保障の確保にも役立つことを加える
  • 学校などで、農業・林業・漁業や関連産業への理解を深める農林漁業教育を進める
  • 食育の場として、家庭・学校・保育所・地域に加え、職場を明記する
  • 大学生や働く人など、大人の健全な食生活に向けた取組を国・自治体が進める
  • 食育推進基本計画(国の食育政策の基本計画)について、目標の達成状況を少なくとも年1回公表し、おおむね5年ごとに見直す
  • 都道府県や市町村に対し、国が情報提供や助言を行う規定を新設する
  • 食育に関わる人材の育成・確保を国や自治体の施策に加える

🏛️ 背景 なぜ今この改正なのか

食育基本法は2005年に制定されました。食に関する知識と、食を選ぶ力を身につけることを通じて、健全な食生活を実践できる人を育てるための法律です。

一方で、法案は、働き方や世帯構成の変化、生産者と消費者の関係の薄まり、食品ロス、食料の安定確保などを新たな課題として前文に書き込みます。

背景には、2024年の食料・農業・農村基本法改正があります。この法律では、食料安全保障を「良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され、国民一人一人が入手できる状態」と定義しました。

今回の食育基本法改正案は、その考え方を食育にも反映し、食べる側が生産現場や価格形成、持続的な食料供給について理解を深める方向に制度を整えます。

📊 現行制度と改正後の違い

1. 食育の目的

  • 現行

健全な心身と豊かな人間性を育むため、食育を推進することが目的です。

  • 改正後

これに加えて、食料安全保障の確保にも役立つ食育と位置づけます。

2. 食育の場

  • 現行

家庭、学校、保育所、地域などが主な場面です。

  • 改正後

そこに職場を明記します。働く人の食生活改善や、事業者による従業員向けの食育活動も施策の対象になります。

3. 学校での食育

  • 現行

学校給食、農場での実習、調理、食品廃棄物の再生利用などの体験活動を通じて、子どもの食への理解を促す内容です。

  • 改正後

農林漁業教育を明記します。食を支える農林漁業や関連産業への理解を深める教育として位置づけ、農林漁業者など教職員以外の人材の活用も書き込みます。

4. 大人向けの食育

  • 現行

地域での食生活改善や生活習慣病予防の取組が中心です。

  • 改正後

新たに「成年に達した者の健全な食生活」に関する条文を設けます。大学生への啓発、職場での食育、事業者同士の連携を進める体制づくりが対象になります。

5. 国の計画の管理

  • 現行

食育推進基本計画を作成し、公表する仕組みがあります。

  • 改正後

計画の目標達成状況を、農林水産大臣が少なくとも毎年1回調査し、公表します。計画もおおむね5年ごとに変更する規定になります。

👥 影響を受ける人・団体

学生・子ども

学校での食育に、農林漁業や生産現場への理解がより明確に入ります。栄養教諭(学校で食に関する指導や給食管理を担う教員)だけでなく、農林漁業者など外部人材との連携も想定されています。

大学生・働く人

大学生への食生活改善の啓発や、職場での食育活動が法律上の施策に入ります。食育が、子ども時代だけでなく成人後にも続くものとして扱われます。

事業者

従業員の健康に配慮した食育活動を行う事業者への支援や、食育に取り組む事業者同士の連携が施策の対象になります。

自治体

都道府県や市町村の食育推進計画づくり、実施状況の把握に向けて、国が情報提供や助言を行う規定が加わります。

農林漁業者・食品関連事業者

生産者と消費者の交流、農林漁業体験、地産地消、食品ロス削減などの取組で、教育関係者や自治体との連携がより明確になります。

📅 施行日と国会での状況

この法案は、衆法第8号として2026年4月22日に提出されました。提出者は衆議院農林水産委員長で、衆議院の議案情報では提出者一覧に藤井比早之氏が記載されています。衆議院農林水産委員会の名簿では、藤井氏の会派は自民です。

衆議院本会議では2026年4月23日に可決され、参議院に送付されています。

成立した場合、施行日は公布の日です。段階的な施行日や経過措置は、提出法律案の附則には置かれていません。

🔗 参考リンク


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