組織的窃盗加重処罰法案
組織的な窃盗や盗品売買を加重処罰の対象にし、窃盗事件にも捜査協力と処分調整の合意制度を使えるようにする改正です。
審議待ち
次: 衆議院 委員会
一言で言うと
車を盗む組織や、盗まれた車を売りさばく組織への刑を重くし、犯罪収益も押さえやすくして、自動車盗への対策を強める改正です。
この法案のポイント

何が変わる?
組織的な窃盗と盗品売買を重く処罰します。
団体の活動として行われる窃盗や盗品有償譲受けなどを、組織的犯罪処罰法の加重処罰対象に加えます。

なぜ今?
盗む組織と盗品をさばく組織をたどるためです。
役割分担された窃盗や盗品の運搬・売却により、被害回復や首謀者の特定が難しくなることが背景です。

誰に関係する?
窃盗事件の捜査・公判と盗品流通に関係します。
窃盗事件でも合意制度を使える範囲が広がり、盗品の運搬・保管・売却に関わる者も加重処罰の対象になります。
詳しく読む
組織的な窃盗を重く処罰し、盗品ルートをたどる捜査協力制度を広げる
🚗 自動車盗 / 🛒 組織的万引き / ⚖️ 刑罰の加重 / 🤝 捜査協力制度
この法案は、組織的な窃盗と盗品の買受け・売却ルートを、通常の窃盗より重い刑罰の対象にするものです。あわせて、窃盗事件でも「捜査協力と引き換えに処分を調整する制度」を使える範囲に加えます。
💡 一言で言うと
盗む組織と盗品をさばく組織への刑罰を重くする法案です。
対象になるのは、団体の意思決定に基づき、利益が団体に入る形で、窃盗や盗品の買受け・売却などを組織的に行うケースです。
法案が成立すると、組織的な窃盗は1年以上の有期拘禁刑の対象になります。拘禁刑は、刑事施設に収容する刑で、2025年6月から懲役・禁錮に代わって使われています。
🔑 何が変わるのか
主な変更点は3つです。
1つ目は、組織的な窃盗を組織的犯罪処罰法の加重処罰の対象に加えることです。窃盗罪そのものは刑法にありますが、団体の活動として組織的に行われた場合、より重い法定刑になります。
2つ目は、盗品有償譲受け等も同じく加重処罰の対象にすることです。これは、盗まれた物を有料で買い取る、運ぶ、保管する、売却をあっせんするなどの行為を指します。
3つ目は、刑事訴訟法の「合意制度」を広げることです。合意制度は、被疑者・被告人が他人の事件の解明に協力し、検察官がその人の事件の処分や求刑で一定の対応をする制度です。この対象に、窃盗、窃盗未遂、盗品有償譲受け等が加わります。
🏛️ 背景(なぜ今この改正なのか)
法案概要では、組織的な窃盗について、構成員が役割分担をして準備し、被害品をすぐに運搬・隠匿・売却するため、被害の予防や回復、首謀者の特定が難しいと説明しています。
自動車盗も背景にあります。警察庁の統計では、自動車盗の認知件数は令和3年(2021年)の5,182件から、令和6年(2024年)には6,080件に増えています。被害額300万円以上の自動車盗も、令和3年の1,711件から令和6年には2,600件に増えています。
小売業についても、法案概要は年間5,000億円弱の万引き被害が推定されるとし、集団窃盗による高額商品の被害や、被害届提出など店舗側の負担を挙げています。
📊 現行制度と改正後の違い
組織的な窃盗
現行の窃盗罪は、10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。
改正後は、刑法235条の窃盗に当たる行為が、団体の活動として、その行為を実行するための組織により行われた場合、1年以上の有期拘禁刑になります。未遂も処罰対象です。
組織的な盗品有償譲受け等
現行の盗品有償譲受け等は、10年以下の拘禁刑と50万円以下の罰金です。
改正後は、これが団体の活動として組織的に行われた場合、1年以上の有期拘禁刑と50万円以下の罰金になります。
合意制度の対象犯罪
現行制度では、合意制度を使える犯罪は刑事訴訟法上の「特定犯罪」に限られています。
改正後は、次の犯罪が対象に加わります。
- 窃盗
- 窃盗未遂
- 盗品有償譲受け等
- 組織的な窃盗
- 組織的な盗品有償譲受け等
👥 影響を受ける人・対象者
主な影響は、組織的な窃盗事件や盗品の流通に関わる刑事司法の場面に出ます。
自動車盗や集団万引きなどの被害を受ける側にとっては、事件の処罰や捜査協力制度の枠組みが変わります。
一方、窃盗後の運搬・保管・売却などに関わる者は、組織的に行われた場合、加重処罰の対象になります。
📅 施行日と経過措置
施行日は、公布の日から20日を経過した日です。公布は、成立した法律を公に知らせる手続です。
附則ではこの施行日のほか、条文番号の変更に伴う電気通信事業法の整理が置かれています。
📤 提出者・所属
この法案は、衆議院議員提出の法律案です。提出者会派は、衆議院の議案情報で「国民民主党・無所属クラブ」とされています。
提出者は次の4名です。
- 河井昭成君(衆議院議員、国民民主党)
- 橋本幹彦君(衆議院議員、国民民主党)
- 岡野純子君(衆議院議員、国民民主党)
- 西岡義高君(衆議院議員、国民民主党)
賛成者は、浅野哲君、飯泉嘉門君、井戸まさえ君、臼木秀剛君、小竹凱君、許斐亮太郎君、近藤雅彦君、佐々木真琴君、鈴木義弘君、高沢一基君、田中健君、玉木雄一郎君、丹野みどり君、長友慎治君、鍋島勢理君、西岡秀子君、野村美穂君、日野紗里亜君、深作ヘスス君、福田徹君、古川元久君、向山好一君、村岡敏英君、森ようすけ君です。
🔗 参考リンク
- 参議院:議案情報
- 衆議院:議案審議経過情報
- 衆議院:提出時法律案
- 衆議院法制局:法案概要
- 衆議院法制局:要綱
- 衆議院法制局:新旧対照表
- 警察庁:令和6年の刑法犯に関する統計資料
- e-Gov法令検索:組織的犯罪処罰法
- e-Gov法令検索:刑法
- e-Gov法令検索:刑事訴訟法
リアルタイム速報はXで → @kokkai_sokuho
