副首都整備推進法案
大規模災害で東京圏の中枢機能が止まる場合に備え、道府県単位の副首都指定、政府基本方針、推進本部を設ける法案です。
衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会で審議中
次: 衆議院 委員会
一言で言うと
東京圏が大災害で止まった時に備え、国の仕事を受け持つ副首都の整備を進め、行政機能を止めないための準備をする法案です。
この法案のポイント

何が変わる?
副首都を指定する仕組みをつくります。
大規模災害で東京圏の中枢機能が維持できない場合に備え、道府県単位の副首都指定、基本方針、推進本部を設けます。

なぜ今?
東京圏への中枢機能集中に備えるためです。
首都直下地震などで政治・行政・経済機能が止まるリスクを前提に、代替機能や業務継続の整備を法律に位置づけます。

誰に関係する?
国、道府県、自治体、企業の業務継続に関係します。
副首都候補となる道府県の申出、地方自治体や民間事業所の分散配置、交通・通信網の代替性確保に関わります。
詳しく読む
大災害で東京圏の中枢機能を維持できない時に備え、副首都を指定する仕組みへ
🏛 副首都 / 🚨 大規模災害 / 🧭 首都機能の代替 / 🏙 地方分散
この法案は、首都直下地震などの大規模災害で東京圏の政治・行政・経済の中枢機能を維持しにくくなった場合に備え、「副首都」を指定する仕組みを作るものです。政府の基本方針、全閣僚が入る推進本部、地方自治体や企業の業務継続支援も法律に位置づけます。
💡 一言で言うと
東京圏が大災害で止まる時に、国の機能を受ける地域を準備します。
ここでいう「国の機能」は、政治、行政、司法、経済など、国と社会を動かす中枢機能です。
法案上の「副首都」は市町村ではなく、道府県単位で指定される仕組みです。大規模災害で東京圏の首都中枢機能を維持できない場合に、一定期間、その全部または大部分を代替する役割を担います。
🔑 何が変わるのか
この法案の中心は、次の3点です。
- 「副首都」を法律上の制度として置く
- 道府県の申出に基づき、内閣総理大臣が指定します。
- 申出には、その道府県議会の議決が必要です。
- 指定の効力は、官報で告示された時に生じます。
- 政府が「基本方針」を作る
- 人口や国家機能の分散配置、交通・通信の多重化、自治体や企業の業務継続支援、副首都ごとの整備などを盛り込みます。
- 基本方針は閣議決定され、公表されます。
- 国土強靱化基本計画など国の他の計画も、この分野では基本方針を基本にする扱いです。
- 内閣に推進本部を置く
- 本部長は内閣総理大臣です。
- 副本部長は内閣官房長官と担当大臣です。
- 本部員は、その他の全ての国務大臣です。
あわせて、民間事業所の分散配置、地方自治体の業務継続、交通・通信網の代替性確保、国民への広報なども基本的施策として書き込まれます。
🏛️ 背景 なぜ今この改正なのか
背景にあるのは、東京圏に政治・行政・経済の中枢機能が集まっていることです。首都直下地震が起きた場合、政府機関、交通、通信、電力、金融、企業活動などに広い影響が出ます。
内閣府の首都直下地震対策検討ワーキンググループは、令和7年12月に新たな報告書を公表しました。都心南部直下地震の場合の最大値として、死者約1.8万人、避難者約480万人、帰宅困難者約840万人、経済的被害約83兆円が示されています。
政府にはすでに「政府業務継続計画」があります。官邸が使えない場合の移転先として、内閣府、防衛省、立川広域防災基地などが位置づけられています。
今回の法案は、こうした既存の首都直下地震対策に加えて、東京圏の外も含めた代替機能の整備や、副首都の指定を法律上の枠組みにする内容です。
📊 現行制度と改正後の違い
現行制度
現在は、首都直下地震対策特別措置法に基づき、首都直下地震緊急対策推進基本計画や政府業務継続計画が作られています。
政府業務継続計画では、中央省庁の非常時優先業務、職員の参集、電力や通信、物資備蓄、代替庁舎などを定めています。たとえば、参集要員の食料・飲料水などは1週間分を備える方針です。
改正後
法案が成立して公布された場合、公布日から3か月以内に政令で定める日に施行されます。
施行後は、次のように進みます。
- 施行日から1年以内
- 政府が基本方針を策定します。
- 施行日から令和13年(2031年)3月31日まで
- 副首都整備を含む施策を集中的に進めます。
- 施行後5年を目途
- 推進本部のあり方を検討し、必要な措置を講じます。
副首都に指定された道府県ごとに「副首都整備方針」も作られます。ここには、産業競争力、交通網、都市基盤、国の機関の拠点、周辺自治体との連携などが盛り込まれます。
🏙️ 「副首都」と「代替地域」はどう違うのか
法案には、「副首都」と「首都中枢機能代替地域」という2つの考え方が出てきます。
副首都は、東京圏で首都中枢機能を維持できない場合に、全部または大部分を一定期間代替する道府県です。さらに、多極分散型の経済圏を作る中核としての役割も持ちます。
首都中枢機能代替地域は、首都中枢機能の一部を代替する地域です。東京圏と同時に被災する可能性が低いことなど、政令で定める要件に該当する地域が想定されています。
どの道府県が副首都に指定されるかは、法案の条文には書かれていません。指定要件の細部は政令や今後の手続に委ねられます。
🧾 「都」への名称変更手続も追加
この法案は、大都市地域における特別区の設置に関する法律も改正します。
特別区を含む道府県が副首都に指定された場合、その道府県の申請に基づき、内閣が国会の承認を経て、名称を「都」に変更できる手続を置きます。
申請には、その道府県議会の議決が必要です。申請は総務大臣を経由し、処分は総務大臣の告示で効力を生じます。
👥 影響を受ける人・対象者
生活者にとっては、平時の手続がすぐ変わるというより、災害時に行政サービス、金融、物流、通信などの途切れを抑えるための制度整備です。
自治体には、業務継続のための体制づくりや、国の施策への協力が関係します。副首都に名乗りを上げる道府県は、議会の議決を経て申出をすることになります。
企業には、事業継続計画、拠点の分散、交通・通信の代替手段などが関係します。法案には、民間事業所の移転などに関する投資を促す税制上の措置も書き込まれています。
📤 提出者・所属
この法案は、第221回国会に提出された衆議院議員提出法案です。提出日は令和8年(2026年)6月24日です。衆議院では、6月26日に地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会へ付託されています。
発議者
- 自由民主党・衆議院議員
- 簗和生
- 鈴木英敬
- 長谷川淳二
- 宮下一郎
- 日本維新の会・衆議院議員
- 岩谷良平
- 青柳仁士
- うるま譲司
- 高見亮
賛成者
- 自由民主党・衆議院議員
- 安藤たかお
- 石井拓
- 石田真敏
- 井原巧
- 大空幸星
- 小野寺五典
- 尾花瑛仁
- 加藤鮎子
- 加藤貴弘
- 上川陽子
- 斉木武志
- 繁本護
- 白坂亜紀
- 新藤義孝
- 鈴木拓海
- 高木宏壽
- 高橋祐介
- 田野瀬太道
- 田畑裕明
- 田宮寿人
- 辻秀樹
- 西野太亮
- 橋本岳
- 福原淳嗣
- 古井康介
- 穂坂泰
- 前川恵
- 丸田康一郎
- 宮内秀樹
- 山本深
- 日本維新の会・衆議院議員
- 東徹
- 阿部圭史
- 阿部司
- 池下卓
- 池畑浩太朗
- 一谷勇一郎
- 市村浩一郎
- 伊東信久
- 梅村聡
- 浦野靖人
- 奥下剛光
- 柏倉祐司
- 金村龍那
- 喜多義典
- 黒田征樹
- 斎藤アレックス
- 住吉寛紀
- 関健一郎
- 中司宏
- 西田薫
- 萩原佳
- 馬場伸幸
- 原山大亮
- 藤田文武
- 前原誠司
- 三木圭恵
- 村上智信
- 横田光弘
- 若狹清史
🔗 参考リンク
- 参議院:議案審議情報
- 衆議院:議案審議経過情報
- 衆議院:提出時法律案
- 衆議院:法律案要綱
- 内閣府:首都直下地震対策
- 内閣府:首都直下地震対策検討ワーキンググループ報告書概要
- 内閣府:都心南部直下地震の被害想定
- 内閣府:政府業務継続計画(概要)
- 内閣官房:国土強靱化基本計画
- 衆議院:会派名及び会派別所属議員数
- 自由民主党:国会議員検索
- 日本維新の会:衆議院議員
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