建築士法改正案
建築士試験を受けやすくし、設計や工事監理を頼むときは、建物の大きさにかかわらず契約書を交わすようにする改正です。
成立
次: 公布
一言で言うと
建築士を目指す学生や実務経験者が、より早い段階で試験に挑めるようにし、住宅など小さな建物でも設計や工事監理の内容を契約書で確認できるようにする改正です。
この法案のポイント

何が変わる?
建築士試験の受験機会と、設計・工事監理契約の書面化を広げます。
大学などの卒業見込み者も受験でき、実務経験だけで二級・木造建築士を目指す場合の受験要件を7年から2年に短縮します。契約書の交付は、建物の面積を問わず対象にします。

なぜ今?
建築士の高齢化と将来の担い手減少に対応するためです。
建築士事務所に所属する一級建築士は、2024年4月時点で60歳以上が約44%です。現在の傾向が続くと、人数は30年後に14万人から6.9万人へ半減すると推計されています。

誰に関係する?
建築士を目指す人、建築士事務所、設計を依頼する人に関係します。
二級・木造建築士を目指す人は、これまでより早く試験に進めます。住宅など小規模な建物でも、設計や工事監理の内容、報酬、契約解除などを契約書で確認する対象が広がります。
詳しく読む
建築士の高齢化に対応し、資格取得と設計契約のルールを見直す
🏠 住宅・建築 / 🧑🎓 建築士資格 / 📝 設計契約
建築士を目指す人の受験機会を広げ、設計や工事監理の契約書を取り交わす対象を広げる法案です。学生、実務経験者、二級建築士、住宅や建物の設計を依頼する人に関係します。
💡 一言で言うと
建築士を目指しやすくし、設計契約を小規模案件まで書面で残します。
この法案は、建築士の人材確保と、設計・工事監理契約の明確化が柱です。
資格面では、卒業見込みの学生にも受験機会を広げます。実務経験だけで二級建築士・木造建築士を目指す人は、試験を受けるまでの必要期間が7年から2年に短くなります。
契約面では、これまで主に延べ面積300㎡超の建築物の新築等に限られていた契約書の相互交付義務を、建築士が行う設計・工事監理契約全体に広げます。
🔑 何が変わるのか
主な改正点は次の4つです。
- 一級建築士試験を、大学等の最終学年でも受けられるようにする
- 二級建築士から一級建築士になる際の実務経験要件を一部短くする
- 二級建築士・木造建築士について、実務経験ルートの年数を短くする
- 設計・工事監理契約の契約書相互交付義務を、面積にかかわらず広げる
「工事監理」とは、工事が設計図書どおりに行われているかを確認する業務です。
🏛️ 背景 なぜ今この改正なのか
国土交通省の資料では、一級建築士のうち建築士事務所に所属する人の高齢化が進み、2024年4月時点で60歳以上が約44%とされています。2008年時点の推計では約12%でした。
また、現在の傾向が続く場合、所属一級建築士数は30年後に14.0万人から6.9万人へ半減する見込みも示されています。
法案の理由では、建築物の設計や工事監理を担う人材を継続的に確保すること、設計等の契約を適正にすることが挙げられています。
📊 現行制度と改正後の違い
一級建築士試験
現行では、大学や高等専門学校などで指定の建築科目を修めて卒業した人などが受験対象です。
改正後は、大学等に在学中で、試験年度末までに卒業見込みの人も、指定科目の単位を修得していれば受験できます。
二級建築士から一級建築士へ進む場合
現行では、二級建築士が一級建築士の免許を受けるには、二級建築士としての実務経験が4年以上必要です。
改正後は、次の条件を満たす場合、二級建築士としての実務経験が2年以上に短縮されます。
- 二級建築士になる前の経験を含め、実務経験が8年以上
- 高校等で建築科目を修めて卒業した人は、卒業後の実務経験が6年以上
二級建築士・木造建築士
実務経験だけで二級建築士・木造建築士を目指す場合、現行では試験を受けるにも免許を受けるにも実務経験7年以上が必要です。
改正後は、試験は実務経験2年以上で受けられます。免許を受けるために必要な実務経験は4年以上になります。
大学等や高校等の最終学年で卒業見込みの人も、指定科目の単位を修得していれば受験できるようになります。
建築設備士
建築設備士は、空調、給排水、電気設備など建築設備に関する専門資格です。
改正後は、建築設備士の定義に、国土交通大臣が定める機関への登録が加わります。施行時にすでに建築設備士である人は、登録がない場合でも施行日から1年間は建築設備士とみなされます。
設計・工事監理契約
現行では、契約書の相互交付義務は、主に延べ面積300㎡超の建築物の新築等に係る設計契約・工事監理契約が対象です。
改正後は、面積を問わず、建築士が行う設計・工事監理に係る契約全体が対象になります。
あわせて、建築士事務所の開設者には、報酬の算定根拠を明らかにするための見積書を作成する努力義務が設けられます。
👥 影響を受ける人
この改正は、主に次の人に関係します。
- 建築系の大学・高校などに通う学生
- 実務経験から二級建築士・木造建築士を目指す人
- 二級建築士から一級建築士を目指す人
- 建築士事務所
- 住宅や建物の設計・工事監理を依頼する人や事業者
住宅など小規模な建築でも、設計や工事監理の内容、報酬、契約解除などを契約書で確認する対象が広がります。
📅 施行日と経過措置
資格要件や建築設備士の登録に関する改正は、公布日から3年以内に政令で定める日から施行されます。
契約書の相互交付義務の対象拡大や見積書に関する改正は、公布日から1年以内に政令で定める日から施行されます。
📤 提出者・所属
この法案は、衆議院議員提出法律案ですが、個別議員による提出ではなく、衆議院国土交通委員長提出の委員会発議です。
- 提出者:国土交通委員長
- 委員長:冨樫博之氏
- 所属会派:自由民主党・無所属の会
- 提出日:2026年7月22日
- 衆議院本会議:2026年7月22日に全会一致で可決
- 参議院:同日、国土交通委員会に付託
🔗 参考リンク
- 参議院 議案情報:建築士法の一部を改正する法律案
- 衆議院法制局 第221回国会衆法情報
- 法律案PDF
- 概要PDF
- 要綱PDF
- 新旧対照表PDF
- e-Gov法令検索 建築士法
- 国土交通省 建築分野の担い手の動向について
- 衆議院 国土交通委員会 委員名簿
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